経済産業省の調査で外資系企業の57%が日本でのビジネス環境で「所得水準が高く、製品やサービスの顧客ボリュームの大きいこと」に魅力を感じていることが分かった。「インフラが充実していること」(49.3%)や「製品・サービスの付加価値や流行に敏感なことから新製品や新サービスに対する競争力の検証ができるところ」(47.4%)も市場として魅力にあげた。有効回答した企業の51.4%は事業の拡大を図りたいと答えた。事業縮小や廃止は3.3%だった。
これは23日、同省が発表したもので、2012年3月末現在で外国投資家が株式の3分の1を超えて所有している企業など一定の条件を満たした企業を対象に12年8月に調査を実施。3514社から回収し、3194社から有効回答を得た。
内訳は製造業555社、非製造業2639社。母国籍でみるとヨーロッパ系が1400社で全体の43.8%を占めた。次いでアメリカ系(887社、27.8%)、アジア系(674社、21.1%)だった。
これら企業での常時従業者数は56万3000人と前年度より7.5%増加した。だた、アルバイトやパートが29.2%を占めていた。売上高は46.5兆円で前年度比7.9%増になった。前年調査、今回調査共通の回答企業のみで比較すると8.9%の売り上げ増だった。
所得水準の高さなどがビジネス環境での魅力にあがっていたが、一方で、日本での事業展開の阻害要因に「ビジネスコストの高さ」(78.6%)があがった。コスト高要因の筆頭は「人件費」(73.1%)だった。「税負担」をあげるところも60.9%と多かった。
日本人の人材確保の阻害要因の筆頭は『給与水準の高さ』(58.9%)だったが、「英語によるビジネスコミュニケーションの困難性」をあげる企業も52%と高かった。労働市場の国際化に対応した英語教育の重要性の増していることが浮きぼりになった。(編集担当:森高龍二)