島根県松江市教委は故・中沢啓治さんが自らの被爆体験をもとに描いた漫画『はだしのゲン』の内容が首を切るシーンや女性への性的暴行など描写が過激で問題があるとして小中学校に閲覧制限を要請していたが、26日の臨時協議会で要請を撤回した。『各学校の自主性を尊重する』ことにした。要請撤回の理由に要請を決める手続き上の不備もあげたが、閲覧制限には抗議が相次いでいた。
各学校の自主性に任されることから「はだしのゲン」は児童・生徒がこれまで通り自由に閲覧できることになりそう。
今回の閲覧制限には政界からも慎重論や批判が相次いでいた。公明党の山口那津男代表は「これまで、みんなが見ることができたわけだから。そうした表現も、それを享受することも、ずっと行われてきたのですから、それは、みなさんが知る機会は保たれた方が良いのではないか」と語り、閲覧制限に慎重な姿勢を示すとともに、表現の自由・知る権利は最大限尊重されるべきとの考えを示していた。民主党の海江田代表も「耳を疑う事象だ。多くの人に読まれているものを読ませないのは日本の歴史に目をつぶらせることにほかならない」と批判していた。
また、日本原水爆被害者団体協議会や日本図書館協会などからも撤回するよう要請や要望が松江市教委に出されていた。(編集担当:森高龍二)