27日の取締役会で、日本マクドナルドホールディングス<2702>は、傘下の事業会社の日本マクドナルドの原田泳幸会長兼社長兼CEOが会長専任となり、サラ・カサノバ氏が社長兼CEOとなる人事決定が行われたと発表した。
原田氏は会見において、業務が低迷し続けるなかでの社長交代となったことを、「退任ではない」と述べ、「新しい経営タレントを投入したマネージメント強化」であることを繰り返し強調した。また、新しく社長兼CEOに決定したサラ・カサノバ氏について、日本の市場について詳しいことや、これまで6つの国でマクドナルド・ビジネスを行ったことがあるという経験などに触れつつ、「グローバルアラインメントを取るリーダーとしては最適」とコメントしている。
日本マクドナルドホールディングスは12月期決算であり、こうした8月下旬での社長交代は異例とも言えるが、原田氏はこのことについて、「事業会社の人事」であることを前提としつつ、「日本のマーケットは現在、とても厳しい状況にあり、ダウントレンドにある。なので、一刻も早くベストのマネージメントタレントの投入が必要だった」と説明している。
サラ・カサノバ氏は、1965年カナダ生まれの女性。91年にマクドナルド・カナダに入社し、2012年6月からは、マクドナルド・マレーシア・シンガポールリージョナルマネージャーに就任していた。さらに2004年から09年まで、日本マクドナルドにて執行役員や上席執行役員を務めていた経歴がある。
サラ・カサノバ氏は、社長就任の打診がいつ頃なされていたかについては明らかにしなかったが、「日本マクドナルドには強い基盤があり、その基盤の上により強固なものを築いて行きたい」とコメントし、他の国のマクドナルド事業との連携を進める考えがあることを明らかにした。
また、日本マクドナルドホールディングスの役員については、変更はなかった。原田氏は、日本マクドナルドホールディングスの会長兼社長兼CEOを務めている。今後について原田氏は、「毎日のビジネス経営については、サラ・カサノバ氏が執行責任を持つが、ホールディングスの責任者として、また、日本マクドナルドの会長として、全面的にサポートするつもり」と述べている。(編集担当:滝川幸平)