ブラックジャックが泣いている 情けなさ過ぎる秋田書店

2013年09月01日 20:01

 どうして、このようなことが起きるのだろうか。「読者プレゼント合計50名」と謳いながら、実際に発送されたプレゼントは3名だった。

 秋田書店は、消費者庁より「不当景品類及び不当表示防止法第6条の規定に基づく措置命令」を受けたと発表した。同社の月刊漫画雑誌「ミステリーボニータ」2011年2月号?12年5月号、「プリンセス」10年6月号から12年5月号、「プリンセスGOLD」10年8月号から12年4月号の誌面上で実施した応募者の中から抽選による景品類の提供企画において、誌面上に記載された当選者数を実際に発送されたよりも水増しして発表していた。

 情けなさ過ぎて言葉もない。今月で創業65周年を迎える同社だが、その長い年月で培った信用は一瞬にして失われたといっていいだろう。同社は今回の消費者庁の措置命令を真摯に受け止め、今後、このようなことが起きないように管理体制の強化を図り、役員以下社員一丸となって再発防止に向けて取り組んでいくとしている。

 同社は、「少年チャンピオン」などの漫画を中心に展開する出版社だ。同誌は、手塚治虫の「ブラックジャック」、山上たつひこの「がきデカ」、鴨川つばめの「マカロニほうれん荘」、永井豪の「キューティハニー」、など数えられない程のヒット作がある。

 「そういう水増しって、わりとどこでもやっているんじゃないの?」という声もある。だから「仕方がないんじゃない?」というのは当然、間違った考えである。日本は法治国家なのだから。ウソはウソである。

 景品類の提供企画において、誌面上に記載された当選者数を実際に発送されたよりも水増しをしていたというケースで、処分が行われたのは1962年に景品表示法が施行されてから、実に初めてのことである。

 秋田書店が信頼を回復するには、長い年月が必要とされるだろう。(編集担当:久保田雄城)