佐藤正久防衛大臣政務官は1日、オバマ米大統領がシリアへの限定的な攻撃を決断したことについて「アメリカ国内対策に加え、情報戦や心理戦を含む外交戦が開始されるだろう」とし、米国の決断に対して「アサド政権が化学兵器を廃棄する可能性は少なく(低く)、巡行ミサイル防衛など徹底抗戦の構え」とした。
軍事介入の時期がいつかは明確でないが、オバマ大統領は議会承認を得て、介入に踏み切る意向という。
日本政府は「アサド政権が化学兵器を使用した可能性は極めて高く、いかなる場合も化学兵器の使用は許されるものではない。シリア情勢の悪化は人道状況を顧みないアサド政権に責任があり、アサド大統領はすでに国際社会の信頼を失っており、正当に国を統治することはできない」(菅官房長官)との立場を明らかにしており、「アサド政権は道を譲るべき」(同)と政権から降りるよう求めている。
政府はアメリカ政府と基本的に認識を共有していることから、米国がシリアへ軍事介入した場合にオバマ大統領を支持する方向だ。ただ、国連決議のないままの軍事介入になるため、支持する場合、安部政権とすれば与党の理解を得るとともに、国民に対し、米国支持の正当性と理解を得るための説明責任は果たさねばならない。
一方、軍事介入すべきでないとする共産党の志位和夫委員長は「一方的な軍事攻撃は国連憲章違反となり事態の悪化をもたらすだけ」とし「国連総会決議にもとづき紛争当事者を交渉の席につかせる外交努力を強化すべき」と軍事介入への姿勢を批判。「シリア国内での化学兵器拡散という極めて重大な結果をもたらす危険がある」と懸念を示した。(編集担当:森高龍二)