東京電力福島第一原発1号機から4号機までの廃炉に向けた取り組みについて、政府は「原子炉内の溶融燃料を取り出すために技術的に困難な課題に対応していくことが必要な段階にあると認識している」と現況での認識を示すとともに「廃止措置に向けた作業について事業者任せにするのではなく、政府として着実に実施されるよう進捗管理を行う」とした。また「遠隔操作機器・装置の技術開発等の研究開発推進にも主導的役割を果たしていく」とした。
小熊慎司衆議院議員が「原子力発電所事故は収束していないという認識の下、国が前面に立ち、責任を持って原子力発電所事故の収束作業と廃炉に向けた取組を安全かつ着実に進めて行くべきと考えるが政府の見解は」と質問主意書で政府の見解を質したのに答えた。
また小熊議員が「帰還判断やその後の避難行動の判断材料とするため、廃炉までにどのようなステップがあり、どのような意味を持ち、どのような課題を抱えているのか、ステップごとのリスクを分かりやすく示されたい」としたことに対し、政府は次のように回答した。
「中長期ロードマップで廃止措置終了までの期間について作業の段階に応じ、使用済燃料プール内の燃料の取り出しを開始するまでの期間(第一期)、第一期終了から燃料デブリの取り出しを開始するまでの期間(第二期)及び第二期終了から廃止措置終了までの期間(第三期)の3つに区分している」。
第一期は使用済燃料プール内の燃料取り出し開始の準備作業を行うとともに、燃料デブリの取り出しの準備等に必要な研究開発を実施し、現場調査に着手する等、廃止措置等に向けた集中準備期間となる。
第二期は燃料デブリの取り出しに向けて多くの研究開発や原子炉格納容器の補修作業などが本格化する。
第三期は燃料デブリの取り出しから廃止措置終了までの実行期間となる。廃止措置等に向けた作業を円滑に進めるためには、各期間において必要となる研究開発を的確に進めること等が重要であると考えている。
東京電力福島第一原発の施設全体及び各設備のリスクについては東京電力が実施計画の中で評価を行っており、実施計画について、外部有識者を含む検討会において技術的観点から確認を行っている。(編集担当:森高龍二)