福島原発事故「収束の言葉」適切でない 菅長官

2013年08月06日 21:22

 「収束という言葉は適切でない」。菅義偉官房長官は6日、東京電力福島第一原発事故の現況について「前政権では収束という言葉を使っているが、廃炉、賠償、除染、被災者の帰還など課題山積の中で、あたかも課題が解決したかのように受け止められる『収束』という言葉は適切でないと思っている」と語った。

 菅官房長官は「東京電力福島第一原発については1昨年12月に原子炉の状態を定量的に評価した結果、冷温停止状態になっていると判断され、現在も安定した状態にある。しかしながら、連日報道されているように汚染水対策を含め、廃炉・賠償・除染・被災者の早期帰還・健康管理など課題は今も山積している」とした。

 こうした状況を背景として菅官房長官は「こうした課題解決に全力で取り組んでいるのが現実だ」と述べ「課題が山積しているのに、あたかも解決したかのように受け止められる『収束』という言葉はやはり適切ではないと思う」と語った。現在も避難生活を余儀なくされている人らや放射能に汚染されてしまった環境、風評被害に苦しむ人らはもちろん「収束とは何事か」と不満や憤りは強い。菅官房長官は「安倍政権では収束という言葉は使わない」とした。

 国民の中には「東京電力はどういう認識と責任を持って対応しているのか、収束していないという危機意識と責任感が首脳陣含め社員全員に浸透しているのか」との声もある。(編集担当:森高龍二)