シリア問題 緊密に連携申し合わせ 日米首脳

2013年09月03日 20:11

 緊迫するシリア情勢の中、菅義偉官房長官は3日、安倍晋三総理とオバマ米大統領が同日午前9時半から電話会談し「両首脳はシリア問題に緊密に連携していくことを申し合わせた」と語った。

 菅官房長官によると「オバマ大統領からシリア情勢を巡る米国政府の現在の分析や今度の行動についての考え方について詳細な説明があった」といい「大統領は化学兵器等の大量破壊兵器が使用されてはならないとの国際的な規範について、国際社会が声を一つにして明確なシグナルを出していくことが重要であり、そのために我が国を含む主要国と緊密に連携していくことの重要性を強調された」とした。

 これを受け「安倍総理は我が国の立場を改めて説明した上で、8月31日の声明はオバマ大統領の重い決意の表明であったと受け止めており、今後の米国議会におけるプロセスを注視していきたいと述べた」とした。

 その上で「両首脳は引き続いて、シリア問題に対して緊密に連携していくと申し合わせた」といい、「両首脳はTPPや地域情勢などの重要課題について、別途の機会にじっくり意見交換することでも一致した」と語った。

 オバマ大統領は8月31日に軍事介入する決断を声明で発表するとともに、実行にあたっては議会の承認を求めるとした。また、日本政府は「アサド政権が化学兵器を使用した可能性は極めて高く、いかなる場合も化学兵器の使用は許されるものではない。シリア情勢の悪化は人道状況を顧みないアサド政権に責任があり、アサド大統領はすでに国際社会の信頼を失っており、正当に国を統治することはできない」(菅官房長官)との立場を明らかにしている。(編集担当:森高龍二)