日本電産が米国の商業用モータ会社など2社を買収

2012年09月21日 11:00

 日本電産が、米国Kinetek社(商業用モータ会社)および米国Avtron社(米国産業用オートメーション事業会社)の全株式を取得することに合意し、買収契約をそれぞれ締結したと発表。買収金額は未公開で、増資の予定はない。

 今回のKinetekとAvtronの買収は、同社の商業用/産業用モータ事業の強化策の一環で、今年5 月に発表したASIの買収に続き実施されたもの。

 主にエレベーター/エスカレーター、商業用冷蔵庫、フロアケア、ゴルフカート、資材運搬車両、架空リフトをエンドマーケットとする各モータ市場において、マーケットリーダーのポジションを築いているKinetekを買収することで、グループが取り扱う商業用モータ製品は倍以上に広がるとのこと。またKinetekは、顧客仕様に合わせる高い設計力(製品の80%がカスタム設計)に強みがあるため、付加価値が高いソリューションサービスを提供出来るようになるという。さらにAvtronについては、ASIとの事業シナジーが期待できる。

 3社の買収の結果、同社の家電・商業・産業事業(ACIM事業)の売上は、2011年度の1242億円から2013年度の2300億円まで拡大を見込んでいる日本電産。今回の買収により商業用/産業用モータ事業の強化策の第一ステップ「成長基盤を固める」は完了し、「如何なる事業も営業利益15%以上」という目標をこの分野で2015 年度に目指せる体制が整ったという。目論見通りの結果が出せるのか否か、今後の動向に注目が集まるところであろう。