山本一太沖縄北方担当大臣は19日から23日までの北方領土訪問を終えて「実質的に国後島に1日、択捉島に2日の日程だった」とし、滞在中の行政府関係者との会話の一部や町の様子などを自身のブログで紹介した。
国後島では南クリル地区のソロムコ首長から「この地域の開発は進んでいる。子供の数も増えているし、住民の平均年齢も若い。ロリア政府によるクリル開発計画で保育園の整備が進んでいるため、待機児童の問題はない。失業率は1%程度ではないかとの趣旨の話を聞いた」としている。
南クリル地区首長の町の概況紹介については「具体的な数字の言及はなかった」とし「正確な事実は確かめようがないので残念」とした。ただ、「数年前には舗装されていなかったという港から行政府までの道は整備されていた」と伝えるなど、町の整備が進んでいることをうかがわせた。
また地元紙記者から「古くなった建物の住民をどうやって新しい建物に移していくのかが、行政の大きな課題になっていると聞いた」と紹介。視察した古釜布の保育幼稚園では2歳から7歳までの園児が110人いて「こどもたちの両親は共働きのケースが多い」と園教諭から聞いたという。
山本大臣は「街の商店は食料品を扱う店が多かった」とし「洋品店、薬局、おもちゃ屋、家電販売店もあった。食品店の品揃えは豊富だったが、ほとんど同じものを売っていた。競合しないのかなあ」と素朴な疑問も。
山本大臣は記者会見で、ロシアによる島の開発・整備に「一喜一憂せずに冷静に受け止めるべき」とし、粘り強く北方領土問題に取り組んでいく考えを強調した。現地を視察した閣僚として、総理や外相との意見交換にも提言するところが多いのではと期待されている。(編集担当:森高龍二)