日露首脳会談で北方領土交渉が再スタートへ

2013年04月30日 19:37

 菅義偉官房長官は30日の記者会見で日露首脳会談や日露共同声明について「今回の安倍晋三総理のロシア訪問は両国首脳の個人的信頼関係をつくること、日露関係の長期的方向を示すこと、北方領土交渉の再スタートの3点にあった」とし「今回の会談でその目的を果たすことができた」と評価した。

 菅官房長官は「日本の総理として10年ぶりの公式訪問だった。両首脳が日露パートナーシップの発展に関する共同声明を採択し、日露協力の具体的なあり方を示すことができた」とした。

 また平和条約の締結交渉については「戦後67年を経て、日露関係で平和条約が締結されていないというのは異常であり、そうした中で、双方受け入れ可能な解決策を作成するための交渉を加速化させるよう、両国首脳が(それぞれ)外務省に指示することで合意した」ことの意義の大きさを語った。

 安全保障面では「外務、防衛の両閣僚による2プラス2の会合の立ち上げも合意なった」。経済面でも「極東開発に向けた官民協議の創設」などで合意したことなどをあげ「今回の首脳会談が今後の日露関係の新たな弾みと長期的方向性を与えるものになると確信している」と強調した。

 菅官房長官は領土問題については「総理も会談で『魔法の杖はない』と言っていたが、一挙に解決するということはなかなか難しいということは当然だろう。ただ、今回の会談で再スタートさせて、加速化させるということが日露両首脳で公表されたので、経済を含め両国の関係の全体の発展を図りながら、北方四島の帰属の問題を解決し、平和条約を締結する目標に粘り強く取り組んでいく体制ができたと考えている」と語った。(編集担当:森高龍二)