東京エレクトロン、業界最大手と経営統合

2013年09月26日 17:50

 24日、東京エレクトロン<8035>と米アプライドマテリアルズは、経営統合すると発表した。半導体製造装置の世界3位と1位が統合することにより、新会社の時価総額は290億ドル(約2.8兆円)となり、業界内において圧倒的な規模を確保し、コスト削減などで相乗効果を図る模様。

 東京エレクトロン、米アプライドマテリアルズそれぞれの株主総会での承認や、各国の競争法を経た上で、2014年の後半頃に統合は完了される予定。2つの会社の年間売上高を合わせると126億ドル(約1兆2300億円)、従業員数は2万7000人となる。

 24日の夜、都内で会見を行った東京エレクトロンの東哲郎会長兼社長は、今回の統合に関して、「それぞれの商品が補完的で、統合により相乗効果が見込める。また、技術力の強化や、かなりのコスト削減も期待することが出来る」とコメントした。両社が統合に向けて本格的な協議を始めたのは、今年3月頃とのこと。米アプライドマテリアルズのゲイリー・ディッカーソン社長兼最高経営責任者(CEO)も、「業界内の急速な変化に対応することが出来、また、新しい技術も生み出せる」とコメントしている。

 東京エレクトロンは持ち株会社の直接子会社に、米アプライドマテリアルズは持ち株会社の間接子会社となる。統合により、初年度に年換算の推定収益約2.5億ドル(約247億円)、3年で約5億ドルのシナジー効果を目指す模様。さらに統合を完了させた1年以内には、30億ドルの自社株買いも予定している。

 スマートフォンの普及に伴い、小さくて高性能な半導体を製造するために、その工程もより細かな加工技術が求められている。また、製造装置メーカーの開発費の負担も増加しており、東京エレクトロンは重複する製品が少ない米アプライドマテリアルズと統合することにより、そうした開発費もより効率的に投入出来ると判断した。

 さらには、世界3位と1位の企業が統合することにより、顧客である米インテル、韓国サムスン電子、台湾TSMC、東芝<6502>など半導体メーカーに対しても、交渉力が増すことが予測される。(編集担当:滝川幸平)