急成長を続けるエイジングケア化粧品市場の秘密

2013年09月28日 17:14

 スキンケア化粧品は今や、国内の化粧品市場の約45%を占めるといわれ、不況といわれる中にあっても、この10年で約6%増を果たしている有望市場。その中でも、さらに急成長していることで注目を集めているのがエイジングスキンケア市場だ。

 少子高齢化に伴う対象年齢の人口が増加していることはもとより、これまで「50代以上の女性が使用する高価な化粧品」というエイジングスキンケアのイメージが、現在は「30代から使用するデイリーケア」へと変化し、リーズナブルなイメージを得てきたのが、需要増の大きな要因とみられる。

 メーカー各社も、この市場の動きに反応して多くの商品を展開しているが、中でも頭一つ抜きん出た感があるのは、ロート製薬<4527>の「肌研(ハダラボ)」シリーズではないだろうか。同シリーズは2004年にロート製薬が発売を開始した化粧品ブランドで、「パーフェクトシンプル=無駄をそぎ落とし、肌に良い成分の効果に焦点をあてる」という考え方にもとづいて開発した機能性化粧品だ。化粧水売上個数No.1ブランドであるとともに、とくにエイジングケアラインの『極潤α(ゴクジュンアルファ)』シリーズは、日常のスキンケアでエイジングケアができるということで、人気商品となっている。

 そして、その極潤αシリーズが7月末に、「3Dヒアルロン酸」と「ナノ化ヒアルロン酸」を新配合してリニューアル発売されたことで、市場では大きな話題となっている。「3Dヒアルロン酸」とは、うるおい成分「ヒアルロン酸クロスポリマーNa」のことだ。ヒアルロン酸が立体的な網目構造になって肌を包み込むことで、水分を抱えたまま、通常のヒアルロン酸よりも肌にとどまり水を与え続けることができるという。

 また、2011年の誕生の際に初年度売上10億円を超えるヒット商品となった「極潤パーフェクトゲル」シリーズにも3Dヒアルロン酸を配合した新製品「肌研 極潤3D形状復元ゲル」も、同時に新発売している。 

 ロート製薬によると、スキンケアの際に「面倒なお手入れをせずにてっとり早くきれいになりたい」と考える人が60%いるそうで、実際に70%の人が3ステップ以下でスキンケアを完了させていることが分かったそうだ。それを裏付けするように、オールインワンタイプの化粧品市場は2012年に485億円、前年比133%アップの急成長を遂げている。

 全体的にみると横ばい化粧品市場にあって、飛躍的に成績を上げ続ける裏には、ユーザーの望むものを徹底的にリサーチし、それを迅速に商品化するロート製薬の社風がある。

 商品開発のスピードに関して、同社に質問をしてみたところ、「企画・開発・製造が全て一体となっているのが当社の強みです。また、フラットな組織であるため、スピードが速いと言われます」との回答が返ってきた。

 また、今回の肌研シリーズのリニューアルについても、女性の美意識の高まりと、エイジングケアを日常の化粧水や乳液などのスキンケアに取り入れたいというニーズを受けて、毎日エイジングケアしながらスキンケアできるシリーズとして極潤αをリニューアルしたという。とくに3D形状復元ゲルでは、シンプルなお手入れでも贅沢なケアができるよう、3Dヒアルロン酸配合、話題の成分レスベラトロール配合など、こだわって作ったという。

 今後の展望については「化粧水の常識を変え、スキンケアのグローバルスタンダードを目指したい。実際に3世代で使っていただいていますが、1家に1本、肌研があるような世界を作っていきたいです」とのこと。さらに、日本だけでなく海外展開も拡大していくという。

 女性が元気な社会は、経済も元気だといわれるが、そのためにもエイジングスキンケア市場がますます活発になることを願いたいものだ。(編集担当:石井絢子)