化粧品で唯一好調の通販チャネル、各社の取り組みとは

2012年11月08日 11:00

 成熟し、飽和状態となっている国内化粧品市場において、唯一堅調に成長を続けている通信販売チャネル。季節の変わり目、そして乾燥等が気になる時季に向けて、元来通信販売を主体としてきた企業から大手国内企業までが、この通販チャネルを主戦場として動きを活発化させている。

 国内大手で通信販売に力を入れている企業の一つが、自社総合美容サイト「ワタシプラス」を展開している資生堂である。今秋は、10代後半~20代の女性を対象にしたメーキャップブランド「マジョリカ マジョルカ」が2013年にブランド誕生10周年を迎えることに合わせ、SNSを活用したファン参加型の投票コンテストを9月10日~9月30日の期間で実施。結果、4万を超える票数の中で過半数を超える票を集めたスキンケアおしろい「コンパクトファンタジア24h(2004年11月発売)」を2013年春にリバイバル発売し、また、スキンケアおしろい「コンパクトファンタジア24h」発売に先がけて、2004年11月に限定発売した、携帯用オリジナル鏡「ミラー」を11月1日に「ワタシプラス」を通じて限定で発売するという。

 従来から通販チャネルを主体にしてきた企業としては、山田養蜂場が挙げられるであろう。山田養蜂場は2004年から販売しているハニーラボスキンケアシリーズに、「ハニーラボ ふんわりモイストゲル」を加えて多品種な商品展開を実施。このハニーラボスキンケアシリーズは、「ハニーラボ パック」が@cosme口コミランキングその他スキンケア部門において1位となるなど、着実にファンを増やしている。

 自社の製品に絶対的な自信があるが故に化粧品のみで勝負をするのか、主軸の化粧品の品質を裏付ける商品の展開で主力商品への訴求も図るのか、近時急速に普及したSNSをも絡めた戦略でさらに限定とすることで購買意欲を煽るのか、実に様々な施策が実施されている。こうして見ると、主軸の化粧品だけでなく、その周辺に位置する分野での展開も広がっているようである。通販チャネルが好調な故、多くの企業が注力しているため、他社との差別化に拍車がかかっているということであろう。乾燥が本格化する季節に向け、今後、他の企業からもさらにユニークな販促がなされるのではないだろうか。