グッドデザイン賞2013決定 今年も多彩な作品が揃う

2013年10月05日 19:02

 今年もグッドデザイン賞の季節がやってきた。去る10月1日、3,400件の審査対象の中から、のべ66名の審査委員による審査の結果、2013年度のグッドデザイン賞1,212件の受賞が決定した。

 グッドデザイン賞はご存知の通り、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する総合的なデザインの推奨制度。文字通り、暮らしや産業、社会全体を豊かにする「よいデザイン」に対して顕彰されるもので、1957年に通商産業省(現・経済産業省)によって創設された「グッドデザイン商品選定制度」(通称Gマーク制度)に始まり、50年以上にわたって行われてきた。現在では、グッドデザイン賞を象徴する「Gマーク」の認知率は、88%を超えている。

 グッドデザイン賞は毎年、対象が実に多彩なことでも知られており、これまでにも2010年にはアイドルグループのAKB48が受賞したり、2012年度の金賞には東日本大震災の被災者の為に建てられた「仮設住宅 「木造仮設住宅群」」(福島県)が選ばれており、毎回、大きな話題となっている。

 今年度のグッドデザイン受賞作品もやはり多種多様で、中でも面白いものとしては、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)のロケット「イプシロン」やグーグル株式会社の「Google マップ」、さらには、首都高速道路株式会社+東京都+目黒区のジャンクション「大橋ジャンクション」なども受賞しており、大賞候補にも名前が挙がっている。 また、毎年建設業者の受賞は多くあるが、建物や工法だけにとどまらず、社会問題への取組みやオリジナルのサービスに贈られることも、グッドデザイン賞の特色だ。例えばハウスメーカーのアキュラホームが受賞した顧客を守るセーフティーネット「リーディングプロジェクト」は、同社が主宰する全国の工務店ネットワーク「ジャーブネット」に参画する同一地域の工務店が相互扶助の企業体を作り、一社が倒産しても他社が顧客を守る安全網を構築する上、それが継続的に機能するようにした仕組みになっている。

 これまでの50年間での受賞数は4万件以上にのぼるが、そのどれもが、企業や個人、団体が努力し、研鑽を重ねてきた珠玉の商品であり、サービスである。実際に販売されている商品やサービスではあるものの「作品」と呼ぶにふさわしいものばかりだ。また、受賞作を見ると、今という時代がよくわかるのも、この賞の大きな特長ではないだろうか。

 今年度の受賞作は、今月末の30日から11月4日まで、東京ミッドタウン内各所で展示・エキシビジョンが行われる予定となっている。(編集担当:藤原伊織)