ニューヨークのひとつの象徴ともいうべき、ニューヨーク市のタクシー、通称・イエローキャブ。ニューヨークが舞台の映画「タクシードライバー」でも効果的に使われていた。そんな次世代のイエローキャブは、日産<7201>製になる。
日産自動車の小型商用車「NV200」は、ニューヨーク市による2年以上に及ぶ厳しい選考過程を経て、世界中の数々の競合車の中から、2011年5月に、次世代のニューヨーク市タクシーとして選定された。
それ以降、同社はニューヨークモーターショーをはじめとする世界各地のモーターショーや、横浜にある日産のグローバル本社などで、そのコンセプトモデルの公開を行ってきたが、いよいよ、10月末に現地で発売される。
車両の生産は、メキシコの同社クエルナバカ工場にて、すでに8月より開始されている。「NV200」は、日本、欧州、中国、米国をはじめとする世界40カ国以上で販売しており、ユーザーからは、広い室内空間や燃費の良さ、走行性能、魅力的なデザインなどが、高く評価されていると同社はしている。
また、ニューヨークのメトロノース鉄道とロングアイランド鉄道で使用する通勤車両92両を9月に川崎重工が受注している。この車両は17年から18年にかけてデビューする予定だ。契約を結んだMTA(ニューヨーク州交通局)は、22年までに最大676両の追加受注を見込んでいる。その場合売り上げは約18.3億ドル(約1830億円)になり、同社、過去最大規模の鉄道車両契約となる。
この通勤電車は、ロングアイランド鉄道がニューヨーク市マンハッタンのグランドセントラル駅に乗り入れるイーストサイドアクセスの開業(19年開業)に合わせた新車投入計画と老朽化した既存車の更新、ならびに最新技術の採用による旅客サービス向上のために導入されるもので、ロングアイランド鉄道ではニューヨーク市マンハッタンとロングアイランド島を結ぶ路線、メトロノース鉄道ではニューヨーク市マンハッタンとニューヨーク州北西方面の郊外を結ぶ路線で営業運転されることになっている。
ニューヨークのタクシーと鉄道という公共交通機関の要に日本製の車両が使用される。世界中の競合他社を押しのけて、採用された日産自動車と川崎重工。メイド・イン・ジャパン、まだまだ捨てたものではない。(編集担当:久保田雄城)