専門職にもワーキングプアいる 田村厚生労働相

2013年10月17日 08:37

 田村憲久厚生労働大臣は国家戦略特区の中の「雇用」の規制緩和について、大学院卒業者や弁護士、会計士など専門職に限って認めればいいのではなどの意見があることについて「そうした職種は交渉力が強いという受け止めがあるのだろうが、ワーキングプアの方もいる」として、専門職だからと職種のみで雇用特区に認めることに難色を示した。

 田村大臣は「労働関係の制度等々を法律をいじって変える場合、一つは生存権的基本権。基本的人権の一部たるものを考えたとき、できるものとできないものがあるというふうに思う」とし「その上でできるものに関しても、特区という中でやること、特区に限るというようなことが可能なのかどうなのか」と語り、法の下の平等や労働の基本事項にかかわることであることから慎重さが必要との考えを示した。

 また、田村大臣は「職種だけというのは難しい」とし「職種でもワーキングプアの方はいる」とした。田村大臣は「(弁護士や会計士など専門職の)職種というのは多分、労働契約等々の交渉力が強い専門職で、交渉力が強いというようなイメージをお持ちで言われておるんだろうと思うが、ある程度の処遇が期待できるものという意味からすると、職種だけに限ってという話になると、実態がどうなのかといろいろ判断をしていかなければならないだろう」と雇用に関しての特区に慎重な姿勢を崩していない。

 また、雇用特区にはブラック企業特区とか解雇特区などの批判が相次ぎ、野党はじめ連合など労働団体、一般労働者の間でも労働市場に悪影響を与えるのではないかと懸念や反対の声が出ている。(編集担当:森高龍二)