資生堂、フランスの子会社2社を約308億円でロレアルへ売却へ

2013年10月22日 08:31

 資生堂<4911>は、スキンケア、ボディーケアおよびヘアケアを中心に展開している Carita(カリタ)と DECLEOR(デクレオール)の子会社を、フランスの、ロレアル社に対して、売却交渉を始めたと発表した。売却額は2億3,000ユーロ(約308億円)が見込まれている。

 カリタとデクレオールは資生堂グループの、理・美容室向けのプロフェッショナル事業の一角を占めるブランドであり、主にヨーロッパにおいて、サロン等のプロフェッショナルチャネルと小売店の双方にスキンケア製品やその施術サービスを提供している。

 資生堂は、経営課題を一掃し、もう一度成長軌道に乗るために、「強い領域をより強く」「大きな領域をより大きく」「収益性の高い領域でより利益を生み出す」という考え方のもと、聖域を設けず、全社を挙げて徹底した「選択と集中」に取り組んでいるとしている。

 その取り組みの一環として、プロフェッショナル事業においても「選択と集中」の検討を進め、同社のプロフェッショナル事業の持続的な成長性確保のための最前の方向性を模索している中、ロレアル社からカリタとデクレオールの譲渡に関する提案を受けたことから、独占交渉を開始したという。

 カリタは、1945年にパリで創業されたトータルビューティブランド。一人ひとりの個性を生かし、素肌自身の持つ美しさを引き出し、磨き上げることを基本に、フェース、ボディー、ヘアのトータルな施術を行っている。86年に資生堂の傘下に入った。

 一方、デクレオールは、74年に同じくパリ生まれたブランドで肌・からだ・心の安らぎを総合的に保つことを目指したホリスティックなアプローチに取り組んでいる。2002年に資生堂に買収されている。

 またロレアル社は、1909年設立のスキンケア・メーキャップ・フレグランス等の各種化粧品、ヘアカラー、ヘアケア等の製造販売を行う、世界最大の化粧品会社。世界 130カ国で事業を展開している。(編集担当:久保田雄城)