財務省は国家公務員の宿舎料金の改定を年内に決定する方針だが、小野寺五典防衛大臣は22日の記者会見で官舎利用料の値上げに理解を示しながらも、防衛省においては特に地方の部隊では緊急時の即応性などに問題が出る可能性があるとして、財務省にも『即応態勢の維持』のために配慮すべきことを要請しているとした。
小野寺防衛大臣は「宿舎値上げは行政改革の中で大切な方向だと思う」とし、一方で「防衛省としては、特に地方の部隊の周辺にある官舎については即応性のために大変重要な官舎ということになる」と任務の特殊性からの配慮の必要を強調した。
そのうえで「残念なことだが、官舎料金が引き上げになるとアンケートを取る中で半数以上の自衛隊員が官舎から出て民間アパートに移りたいという希望を持っている」と懸念。
緊急時の即応性に支障が出る可能性があるとしているほか「住居手当あるいは交通費等で、むしろ官舎に住むより税金が多く使われることになる」と官舎料金の値上げに見直しの検討を提起する発言を行った。
小野寺防衛大臣は「こういう逆の政策というのはどうなのかと防衛省としては思っている」とし「特に即応態勢の維持のために財務省ともしっかり(意見交換を)図っていきたい」考えを示した。(編集担当:森高龍二)