双日<2768>は、ブラジルで農業・穀物集荷輸出事業をおこなうCGG(カンタガロ ジェネラル グレインズ)とその中核子会社であるCGGトレーディングとの2社に出資し、ブラジルの農業・穀物集荷事業に進出し、穀物取扱規模を拡大する。
CGGグループは、2010年に設立され、現在約15万ヘクタールの農地を保有し、年間200万トンの穀物集荷を展開している。CGGグループと双日は今後、CGGグループが保有するブラジル北部イタキ港の港湾ターミナル、内陸サイロ、農地取得・開発に投資し、20年以降、CGGグループでの穀物取扱量を600万トン、保有農地を20万ヘクタールまで拡大させる計画。
従来、ブラジルからの穀物は南部の港からの輸出が中心だったが、物流インフラの未整備により、輸出の最盛期には長期滞船が恒常化していた。現在、開発が進められているイタキ港は、物流のボトルネック解消による船積み期間短縮とアジアまでの航行距離の短縮による競争力確保が期待されている。
同社はこの出資を通じて、農業生産・集荷・ターミナル事業を共同で事業運営するとともにCGGグループが集荷するブラジル産穀物(大豆・コーン・小麦等)を優先的に買い取り、アジア・日本市場向けに加えて、世界大豆貿易量の7割を輸入する中国市場向けに穀物の販売を行っていく。また、農業生産においては、北東部のセラードと呼ばれる耕作不適地を土壌改良し、新たに農地開拓していくことにより、グローバルな食糧増産に寄与することも考慮している。
また同社は日本・アジア向けの穀物トレード事業に加えて、ベトナムにおいてASEAN域内最大規模の穀物専用港カイメップアグリ港を有するインターフラワーベトナム社での穀物販売事業や、双日協同飼料における配合飼料製造・販売事業など、幅広く穀物事業を手掛けている。
アジアにおいて手がけているこれらの事業とブラジルにおけるこの事業を結びつけることで、南米・アジア間の農業・穀物バリューチェーンを拡充し、日本・アジアにおける食料資源の確保と供給の安定化に貢献し、20年までに1,000万トンの穀物の取扱いを目指していく。(編集担当:久保田雄城)