MotoGP世界選手権第17戦日本GP ロレンソ2連勝

2013年10月28日 14:57

モテギ1

大差をつけ日本GPを制したJ・ロレンソ

 MotoGP世界選手権シリーズ日本GPは、10月27日、北関東・栃木県のツインリンクもてぎで行われ、PPからスタートしたホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)が終始トップを維持、持ち前の精密機械のようなラップを刻み、トップの座を明け渡すことなく、2位のマルク・マルケス(ホンダ)に大差をつけ2連勝を飾った。

 3位は、ダニ・ペドロサ(ホンダ)、4位アルバロ・バウティスタ(ホンダ)、5位ステファン・ブラドル(ホンダ)、6位バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、7位にカル・クラッチロー(ヤマハ)が入った。日本の中須賀克行は11位、青山博一は17位でフィニッシュした。

 この結果今年の日本GPは、MotoGP2,3、最高峰クラス共、スペイン勢が優勝を独占、スペイン国歌が3回も流れた。

 ランキングポイントは、1位のM・マルケスと2位のJ・ロレンソの差は、5ポイント縮まり13ポイントとなり、チャンピオンシップ争いは、11月10日の最終戦バレンシアGPに持ち越された。なお3位のD・ペドロサは、この時点で、チャンピオン争いから脱落した。

 レース前日は、台風の影響を受け、予選方式の変更もあるなど、悪天候に大いに悩まされたが、決勝当日27日は、台風一過、雲一つない青空が広がる、絶好のレース日和の中で開始された。レースは、気温20度、路面温度30度のドライコンディションの中、24周、25人のライダーがスタートした。

 スタートは、PPのJ・ロレンソが、トップに立ち、2番グリットのM・マルケスがやや遅れ3位に後退、5番グリットのV・ロッシが好スタート、2位に付けた。

 2週目に入り、V・ロッシがマシンコントロールのミスで、4番グリットからスタートしたD・ペドロサにも抜かれ、4位に後退、次のラップでも同様の事態となり、V・ロッシは一時11番手まで後退するも、ラスト4周の頃には6番手まで挽回した。

 一方トップ争いはJ・ロレンソ、2位M・マルケス、3位D・ペドロサと、いつもと同様、3強がレースを引っ張る展開が続く。

 レース中盤に入り、3位のD・ペドロサが、前の2人に徐々に引き離され、J・ロレンソとM・マルケスのトップ争いが続くか、と誰もが思ったが、M・マルケスもJ・ロレンソから引き離されていく展開となりJ・ロレンソが大差をつけて優勝した。

 このもてぎのコースは、テクニカルなレイアウトで、タイヤの選択が重要になってくる。そこに賭けたのが、J・ロレンソだった。ライバル2人と違った新しいソフトタイヤに交換したのが見事功を奏した。

 ランキングポイントを考え、J・ロレンソは一つの賭けに出たのだ。それだけチャンピオンシップに賭けるJ・ロレンソの執念が見えたレースであった。また、この勝利は二輪世界最高峰ロードレース(GP500及びMotoGP)でのヤマハ選手の通算優勝回数200回目となる記念すべき勝利ともなった。

 次回の最終戦で、たとえJ・ロレンソがトップをとっても、M・マルケスは、4位以内でも首位を確保できる。依然としてM・マルケス優位の状況だが、J・ロレンソはチャンピオンシップの可能性を繋いだ。

 優勝したJ・ロレンソ談「このコースは、ホンダのコースだ。是が非でも勝ちたかった。予選でもホンダは本当に速かった。今日のレースはハードなレースだった。と言うのは、新しいタイヤに変えたのだ。これが勝利につながった」 (編集担当:犬藤直也)