MotoGP第12戦イギリスGP 4連勝のマルケス抑えロレンソ優勝

2013年09月02日 12:28

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接戦を制し、喜びを身体いっぱいで表現するJ・ロレンソ(写真中央)

 MotoGP世界選手権第12戦イギリスGPは、9月1日イングランド 郊外に位置する、伝統のサーキットコース シルバーストンサーキット(5900m)で開催され、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)がマルク・マルケス(ホンダ)と最終コーナーまでデッドヒートを展開し今シーズン4度目の優勝を飾った。3位はビッグ3の一角ダニ・ペドロサ(ホンダ)、4位はアルバロ・バウティスタ(ホンダ)と最後まで競り合ったバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、日本の青山は21番グリットからスタートし、18位でフィニッシュした。

 ポイントランキングは、1位のM/・マルケスは変わらず、30ポイント差で、2位D・ペドロサ、39ポイント差で、3位J・ロレンソとなった。

 レースは、気温17度、路面温度30度のドライコンディションの中、20週のコースを23人のライダーで争われた。

 レース前2時間前のウォームアップで、ルーキー前人未到の5連勝に挑むM・マルケスが、転倒、左肩を脱臼、レース出場が危ぶまれていた。それがスタート直前、観衆の前にその雄姿を見せ、大歓声の中ポールポジションの位置についた。

 スタートは、2番グリットのJ・ロレンソが好スタート、PPのM・マルケスを抜きトップを奪った。好スタートを切ったのは、6番グリットからスタートしたV・ロッシもその一人、ファーストラップでは、3位につけ観衆を沸かせた。

 そしていつのまにか5番グリット、D・ペドロサがトップグループ、J・ロレンソ、M・マルケスに追い付き、いつものレースと同じように、ビッグ3の白熱したデッドヒートを展開した。

 順位は動かず、このままフィニッシュかと誰もが思っていたが、レースが動いたのは残り3周目。最終コーナーで、インを突きM・マルケスがJ・ロレンソを抜きトップに立った。

 いつものM・マルケスであれば、このまま突っ走るのだが、左肩の脱臼もあり無理がきかない。すぐにJ・ロレンソが抜き返えした。それでも闘志は衰えていない、また抜き返し、とゴール直前まで、この両ライダーの白熱したデッドヒートは繰り返され、最後はJ・ロレンソがこれまでのキャリアからくる粘り強さを見せつけ優勝し、大観衆の興奮は最高潮に達した。

 J・ロレンソはレース後の会見で「最後の3コーナーというところで彼(M・マルケス)が再び抜いて行った時には、もうこれで終わりだ、2位止まりだ、と思ったけれど、すぐ次の瞬間には“今しかない!”と感じてもう一度トライ。今の僕は、正直に言ってチャンピオンシップのことは考えていないよ。ただこの特別な優勝を喜ぶだけ。そしてそのあとは、次のミサノに気持ちを切り替えていく」と語った。

 MotoGP史上に残る名勝負に、酔いしれたイギリスGPであった。(編集担当:犬藤直也)