出光興産<5019>、アルタガスおよびペトロガスの3社は、出光興産とアルタガスが折半で共同出資するAIJVLP (AltaGas Idemitsu Joint Venture Limited Partnership)が、ペトロガスの発行済み株式の3分の2を取得する契約を締結したと発表した。
アルタガスは、1994年創業のカナダのガスパイプライン等の企業。ペトロガスは86年にカナダ・カルガリーに設立され、カナダ西部および米国を中心にNGL(天然ガス液)・LPGおよび原油のマーケティング、物流、貯蔵、輸送などを主要な事業とする業界大手。
出光興産は中期経営計画(2013年度から15年度)で、エネルギーソースを多角化し、エネルギーの安定供給に努めていくために、ガス事業への参入を検討することを掲げた。この方針の下、同社はアルタガスとの合弁会社を通じ、カナダ産の液化天然ガス(LNG)および液化石油ガス(LPG)のアジア向け輸出・販売の共同事業に関する可能性を探っている。
今回、ペトロガスと資本関係を結ぶことで、アルタガスの持つLPG生産設備、ペトロガスの持つ集荷・貯蔵・および鉄道貨車をはじめとする物流設備、同社の販売ネットワークが構築される。その結果、出光興産とアルタガスが進めているLPG輸出事業の実現に貢献するとともに、原油・石油製品を日本や成長著しいアジア向けに輸出する機会を創出する等、同社の既存事業にもシナジー効果を生むものと考えている。
また、ペトロガスの既存事業からもたらされる利益に加え、北米におけるNGLおよび原油の輸送ニーズの高まりによる、さらなる収益貢献が見込まれる。
アルタガスは13年10月1日にペトロガスの発行済み株式の4分の1の取得を完了しており、当該取得分を含めたペトロガスの株式の3分の2をAIJVLPが取得することとなる。出光興産の負担は約4.4億カナダ・ドル(約420億円)と見込まれる。
今回の資本参加で、安定的で経済性に優れたカナダのエネルギー資源を日本ならびにアジアに向けて供給することを通じ、日本とカナダの国益に貢献すると同社は期待している。(編集担当:久保田雄城)