住友商事<8053>は、米国エネルギー産業向け鋼材・鋼管商社であるエジェン・グループを約520億円(約5億2000ドル)で買収すると発表した、
エジェン・グループは、傘下に石油・ガスの生産井戸や、輸送および石油精製・発電プラント等に使用される鋼材・鋼管(パイプ・継手・フランジ・バルブ等)をグローバルに取り扱う問屋であるエジェン・マーレイ社と、米国において油井管を取りボウランド&レバリッチ社の2つの事業を有している。エジェン・マーレイ社は、1983年創業の鋼材・鋼管問屋Thomas Pipeを前身とし、その後数々の買収や持続的成長を通じ、現在は米国、アジア、中東および欧州等18カ国35拠点においてエネルギー産業の上・中・下流向けに鉄鋼製品を供給する世界有数のグローバル企業。またボウランド&レバリッチ社は1935年創業の老舗油井管問屋で、テキサス州Pampaを拠点として、全米で幅広い販売ネットワークを有し、成長著しいシェール開発を背景に事業を拡大させている。
住友商事グループは、大手オイルメジャーをはじめとする全世界向け鋼管輸出を軸に、使用現場におけるリアルタイムでの供給を可能にするSCM(Supply Chain Management)構築のほか、最大の油井管需要地である米国を中心とした問屋販売ネットワークの拡充、鋼管製造ミルや加工業への出資を通じた供給力の強化、更には油井関連機器の加工問屋の買収等、油井周辺のバリューチェーン構築に力を注いできている。
今回のエジェン・グループ買収は、シェールガス開発向けの需要が旺盛な油井管やラインパイプに関して住友商事グループの製造・流通市場でのネットワークを強化するとともに、活発な石油精製・石油化学・発電プラントの新設を背景とした鋼管・継手・フランジの需要を取り込み、堅調な成長が見込まれる海洋石油ガス開発向けの鋼材・厚板・鋼管の需要に対応しうる販売体制の拡充を図るものとしている。(編集担当:久保田雄城)