小野寺五典防衛大臣は29日の記者会見で武器輸出3原則が、航空機など複数国がかかわって新装備を作っていくことが世界の流れになっているため、見直しをすることが必要との考えを示した。
小野寺防衛大臣は「航空機のみでなく、いろいろな装備を多国間で、それぞれ技術を持ち合って新装備をつくる流れができている」とし「現在の形にあった議論をして頂くことが防衛省としては必要な方向ではないかと思う」とした。
小野寺防衛大臣は「従前から、最近の新しい装備の開発というのは多国間が共同して行うことが多くなっており、F-35に見られるように、その部品の生産、組み立ても多国間で協力することになる」との現況を提示した。
そのうえで「こういう新しい武器・装備の枠組みから考えると現在の武器輸出三原則というのは、その度に官房長官談話を発出して、その都度対応するのではなく、現在の形に合った形で議論をいただくことが防衛省としては必要な方向ではないかと思う」と期待を語った。
また、多国間でそれぞれが有するそれぞれの技術を活かし、装備をつくる流れができているなかで「日本が参画しないということは、日本の防衛技術、あるいは日本の産業自体が世界から取り残されてしまう、ガラパコス化してしまう、そういう危機感がある」とも語った。
小野寺防衛大臣はこの日の会見でグレーゾーンについても語り「純然たる平時ではない、また有事ではない。その間のことに関してグレーゾーンということを一般的に言っていると思う」としたうえで「北朝鮮の核ミサイル事案、中国による尖閣周辺での領海侵入事案はグレーゾーンにあたるというふうに思っている」とした。小野寺防衛大臣は「グレーゾーンについて有識者の意見を聞きながらNSCの中で議論し、対処方法について一定の方向性を決めていくことになる」との考えも示した。(編集担当:森高龍二)