新型オデッセイはエリシオンを呑み込んだ。そこで期待は、既に追加モデル

2013年11月03日 12:58

Odyssey1

新型オデッセイ・アブソルート。リアドアを開放すると、その床に低さが際立つ。後席へのアプローチのし易さはミニバン随一だ。

 新型ホンダ・オデッセイ&アブソルートが発売された。事前に写真などがホンダから提供されていた。が、実車を確認すると、新型の狙いが見えてくる。それは、すでに廃盤となっている同社の上級ミニバン「エリシオン」のユーザーをも囲い込む新型モデルだということだ。上級移行である。

 今回のモデルチェンジで旧型から一気に身長が150mm成長し、アブソルートのボディサイズは全長×全幅×全高4830×1820×1685mm。しかし、ホンダ製ミニバンの基本で美点でもある低床設計は徹底していて旧型を凌いでいる。写真を見て分かるように2列目シートの床面は低い。高さは300mmで旧型比マイナス60mmだ。競合他社の背が高いミニバンの多くが「階段式の2段ステップ」を「登る」のに比べて格段に乗降性がいい。また、ホイールベースも70mm延長されて2900mm(エリシオンと同寸)となった。

 低重心を維持して歴代モデルが掲げた「走りの良さ」を継承。全高を上げて床を下げ、ホイールベースを延長し、新開発のリアサスペンションの採用で居住性、なかでも2列目シートの乗員の快適性は一挙にアップした。

 インテリアの質感もエリシオン・ユーザーを狙った質感のアップが図られた。インストゥルメントパネルは横基調の広さを演出した設計。シフトレバーをステアリングホイールのすぐ左に設置するインパネシフトはこれまでどおりだ。しっとりした触感のソフトパッド、サンバースト加工の木目調パネル、光沢感があるスエード調ファブリックのシートなどが注目のポイント。メーカーオプションで本革シート仕様も選択できる。

 2列目シートは3名乗車仕様のベンチシートと、2名乗車仕様のキャプテンシート仕様を設定。2名乗車シートでは「プレミアム・クレードルシート」と呼ぶ豪華シートがオプション設定されている。これはシートバックのリクライニングに合わせて座面の角度も変わり、オットマンを装備する豪華さだ。3列目シートはオデッセイの伝統である床下収納式を継承した。この3列目を収納して2列目を大きくスライドさせる「リムジンモード」とすることも可能だ。

 パワーユニットは新開発2.4リッター直列4気筒 DOHC i-VTEC。しかし、ベーシックなオデッセイはポート噴射タイプ、オデッセイ・アブソルートは、直噴エンジンだ。排気量は同じだが、オデッセイ(175ps、23.0kgm)、アブソルート(FF:190ps、24.2kgm/4WD:185ps、24.0kgm)と出力&トルクに違いがある。トランスミッションは全車トルクコンバーター付きのCVTとなる。

 新型は従来モデルを上回る上質感を身に付けたが、最上級ミニバンだったエリシオンをも取り込むには、やや物足りないのも事実。それは、“2.4リッター”“4気筒”だけというパワーユニットの設定だ。アコードが積むスポーツハイブリッドの搭載には、バッテリーの搭載など課題は多い。が、ホンダなら何とかしてしまうような気がするし、過去に例があるV6エンジン搭載は直ぐにでも可能とみた。如何だろうか?(編集担当:吉田恒)