ホンダ・ファンならご存じのとおり「WGN」は「ワゴン」と読む。そのホンダは、11月20日から開催される「第43回東京モーターショー」に合わせて発表、同22 日から発売する新型軽自動車「N-WGN」(エヌ・ワゴン)の先行ティーザープロモーションを開始。内外装のデザインやボディカラーのバリエーション、パワートレーン、グレード構成を含むバリエーションを公開した。
この新型はホンダ軽自動車の牽引役となっている「Nシリーズ」の4番目のモデル。前ヒンジ式4枚ドア+リアゲートで背が高いハイトワゴン。スズキ・ワゴンRやダイハツ・ムーヴなど強力なライバルが立ち塞がるセグメントだ。これまでホンダはリアスライド・ドアのハイト系ワゴン「N BOX」で国内乗用車トップを走り続けている。
後部ドアも前ヒンジ式の新型「N-WGN」は実質的に同社ライフの後継車で、ベーシックな「N-WGN」とスポーティな装備が充実した「N-WGNカスタム」という構成だ。それぞれにグレード「G」「G・Aパッケージ」「G・ターボ」の3種の設定がある。ボディカラーのバリエーションが豊富なのも新型の特徴で、全11色となった。
基本的にABSやTCS(トラクションコントロール)を統合制御する最新の安全装備であるVSA(ヴィークルスタビリティアシスト:横滑り防止装置)やスマートキー、急ブレーキ時に後続車にブレーキランプを急速明滅させて知らせるエマージェンシーストップシグナル、坂道発進で逆行を防ぐヒルスタートアシスト、フルオートエアコン、スタート&ストップボタンなどは全車標準装備だ。
最新安全装置の車両安定装置であるVSAを軽自動車で全車標準としているのは、いまだにホンダ車だけだ。このメーカーの良識が支持され、「Nシリーズ」のヒットに繋がっているように思う。
Aパッケージ車には、前述装備に加えてシティブレーキ・アクティブシステム、前席サイドエアバッグ、前後カーテンシールドエアバッグ、HIDヘッドライト、運転席ハイトアジャスターなどの装備が揃う。ターボ車では当然エンジンがターボ化され動力性能がアップする。その動力性能に合わせて前ブレーキがベンチレーテッドにグレードアップ、14インチのアルミホイールが標準となる。
新型「N-WGN」、クルマそのもののコンセプトは、今や軽自動車の定番なので、N BOXやN ONEがデビューしたときほどの新鮮さを感じない。しかし、1990年代にスズキ・ワゴンRが創出したこのカテゴリー。ここでの勝者が軽自動車市場を征する。どのような出来映えなのか、東京モーターショーで展示される実車に期待したい。(編集担当:吉田恒)