ジェットスター・ジャパン増資110億円 日航など

2013年11月04日 16:51

 昨年国内市場で、相次ぎサービスを始めた格安航空会社(LCC)。早くも経営難がささやかれ始めた。その一つジェットスター・ジャパンは、大株主の日本航空と豪カンタスグループに対し、約100億円の第三者割当増資を11月に実施することが決まった。

 日本のLCCは、昨年サービスを開始したばかりだが、早くも正念場を迎えている。ジェットスターは、旅客の伸びが芳しくなく、不振を極め、それが営業悪化に陥った。その影響で、来年7月までに保有機24機体制を先延ばしすることとなった模様。

 第三者割当増資は、11月初旬にそれぞれ33.3%出資する日航とカンタスグループに対し55億円ずつ実施する方針。日航とカンタスグループからは合計100億円の融資をすでに受け、当面の運転資金は確保しているようだ。

 安定した財務基盤を構築するための資本増強に踏み切る方向だ。

 ジェットスター・ジャパンは、日航とカンタスグループなどが出資して、2011年9月に設立、2012年7月に運航を開始した。就航初年度6月期の最高損益は88億円の赤字を計上、株主資本も5億円まで減少するなど財務状況が悪化していた。

 増資は議決権のない株式となるため、三菱商事や東京センチュリーリースを含めた株主4社の議決権ベース出資比率は変わらない。

 業績低迷の原因の一つは、24時間利用できる関西国際空港の拠点空港化の遅れだ。整備上の不具合で、昨年12月に予定していた関西空港で、機材を常時確保できる拠点化の時期が不透明な他、国際線展開の時期は未定だ。

 LCCにおいては、世界各国で本格的な取り組みが目立ち始め、とりわけ日本市場をターゲットにした動きが活発化しているようだ。

 2020年のオリンピック開催も決まり、LCCへの日本参入は今後ますます激化して来るものと見られている。こうしたことで、今、足元を固めていないと、先に就航したメリットを失いかねないと、LCC国内各社の動きは活発化しており、目が離せない状況と言えよう。(編集担当:犬藤直也)