LCC就航から1年半 各社の現状とその人気は?

2013年09月21日 19:49

 海外で話題となっていたLCC(ローコストキャリア)が日本で運行を開始したのは2012年3月のピーチ・アビエーションが最初。その後、同年7月にジェットスター・ジャパン、翌月8月にエアアジア・ジャパンと相次いで就航した。

 ピーチ・アビエーションは、累計搭乗者数が9月17日に300万人を達成したこを発表した。同社は、運航開始から9か月目に100万人を達成。今年5月には200万人目を達成している。就航時は、2路線、2機で運航だったが、現在は、10機体制で、国内線8路線、国際線4路線の計12路線と機材、路線共に拡大している。

 因みに、国内のライバルとなるLCC、ジェットスター・ジャパンの累計搭乗者数は運行開始から13ヶ月目となる8月12日に200万人を突破。またエアアジア・ジャパンは運行開始からちょうど1年の8月末の時点で80万人を突破している。

 また、JTB総合研究所が行った調査では昨年以降に飛行機で旅行をした人は全体で35.0%。このうち、国内線LCCの利用経験がある人は11.5%だった。年代別では男女とも20代以下(18~29歳)の利用経験が最も高く、男性21.9%、女性16.5%であり、年齢が高くなるにつれ利用経験が低くなっている。また、若い年代では男性の方が女性より利用経験が高いが、年齢が高くなるにつれ男性と女性の利用経験率の差が小さくなる。

 居住エリア別(関東、関西)の利用経験率は、関西居住者が18.8%に対し関東居住者が8.3%と10ポイント以上の差となっている。これを年代別にみても、全ての年代で関西居住者が関東居住者を10ポイント前後上回る結果であり、更に航空会社別にみると、関西国際空港を拠点に展開しているピーチ・アビエーションが関西居住者で高い利用率を示した。成田国際空港を中心に展開しているジェットスター・ジャパンやエアアジア・ジャパンの関東居住者の利用率はピーチほどには高くなく、関西居住者にピーチ・アビエーションの存在が浸透し、国内線LCC利用経験の増加にも大きく寄与していることがうかがえる。

 なお、国内線LCCを利用した旅行は74.7%が観光目的。業務出張も18.9%と2番目に高かった。

 LCCの就航から1年半。ピーチ・アビエーションとジェットスター・ジャパンが順調に利用客を伸ばしている。エアアジア・ジャパンは累計搭乗者数こそ、2社に比べるとかなり少ないが、先月の搭乗者数は8万2175人でこれは前年比52.3%増と大幅に増加している。またLCC全体の利用率では西高東低ともいうべき実態が明らかになってきた。なおエアアジア・ジャパンはANAとエアアジアの合弁会社だが、合弁を解消してこの秋ANA<9201>の100%出資会社になる。これに伴い社名を11月1日からバニラ・エアに変更することが決まっている。(編集担当:久保田雄城)