日本共産党の志位和夫委員長は3日、多々ある秘密保護法案の問題のひとつに「特定秘密の指定権限を濫用した行政機関の長に対する罰則が一切ない」と指定に対して国民の知る権利などの視点から、より慎重であるべきことを担保するためにも必要な「権限濫用時の長への罰則規定がない」ことも問題と指摘した。特定秘密保護指定に対する職権濫用防止への欠陥ともいえ、修正が求められそう。
特定秘密は安全保障などの情報でも特に機密性が高いものを行政の長が指定することになっているが、これでは行政側の都合のよい法案だと批判にあがっても仕方ない。
志位委員長は「行政権力は、どんなに法を濫用・誤用しても罰せられず、国会からも司法からもチェックされない。ここも恐ろしい」と警告した。
志位委員長は2日にも「秘密保護法」に「違反」した場合の問題を取り上げ「刑事手続きのすべての段階で被疑事実の核心が秘密として明らかにされない(刑法学会元理事長、村井敏邦氏)ため、逮捕理由も秘密、裁判でも秘密は開示されず、被告人、裁判官、弁護人は裁判の主題が何であるかわからない」として「法治国家が根幹から崩壊する」と法案成立阻止に向けた運動を、党派を超えて推進していく必要を訴えている。
志位委員長は「過去に公安警察は共産党の緒方靖夫国際部長(当時)宅の電話を盗聴していたことがある。秘密保護法ができれば公安警察の違法活動への監視がいよいよできなくなる」など、公安活動の強化につながることにも警戒感を強めている。(編集担当:森高龍二)