社民党の照屋寛徳国対委員長は「特定秘密保護法案が成立するとTPP交渉情報や原発事故関連情報も特定秘密に間違いなく指定されると思う」とし、特定秘密保護法案の森まさこ担当大臣が「TPP交渉に関する情報の特定秘密指定の扱いをめぐって、指定される、指定されないと記者会見で右往左往している」ことなどからも推測できるとした。
また、さきの国家安全保障特別委員会で小池百合子元防衛相が「日本は秘密であるとか機密に対する感覚をほぼ失っている『平和ぼけの国』でございます」と発言したことに触れ「心意気は青年だが、日々『老いるショック』を感じている私からすると、憲法の三大原理を破壊し、日本を『情報統制国家』『戦争国家』にせんがために『日本版NSC法案』や特定秘密保護法案の成立を急ぐ小池百合子議員や自民党こそが日本の『戦争ぼけ国家』を目指していると批判せざるを得ない」とした。
国民の知る権利や国家が知り得た情報そのものが国民共有の財産であるとの視点を忘れたかのような小池元防衛相の発言をけん制した。
照屋国対委員長が党の憲法リレーコラムの中で触れたもので、照屋国対委員長は憲法・メディア法研究者142人と刑事法研究者123人(10月25日現在)が特定秘密保護法の制定に反対する声明を発表した内容をとりあげ、憲法・メディア法研究者は「憲法は戦争の放棄と戦力の不保持、平和的生存権を定める平和主義を宣言している。これからすれば軍事や防衛についての情報は国家の正当な秘密として必ずしも自明のものではなく、むしろこうした情報は憲法の平和主義原則の観点から厳しく吟味、精査されなければならないはず。法案は基本的人権の保障、国民主権、平和主義という憲法の基本原理をことごとく踏みにじり、傷つける危険性の高い提案に他ならない」と指摘していること。
刑事法研究者は「法案は一種の軍事立法であり、憲法『改正』の先取りでもあり、刑事法の人権保障をも侵害するおそれが大きいと言わざるを得ない。特定秘密保護法の罰則は文言が曖昧で、処罰範囲は広汎であって、憲法31条の適正手段・罪刑法定主義に反する。国会で徹底した審議を」強く要望していることを伝えている。
そのうえで、照屋国対委員長は「日本を代表する憲法・メディア法研究者、刑事法研究者の特定秘密保護法案反対声明は重たい」とし「日本版NSC法案と特定秘密保護法案は一体の法案であり、両法案への反対と廃案を強く訴える」と、法案の危険性を指摘し、世論にも反対の輪の広がりを求めた。(編集担当:森高龍二)