日本共産党の志位和夫委員長は6日「政府・与党は7日に国家安全保障会議設置法案(NSC法案)を衆議院本会議で強行し、秘密保護法案の審議入りを強行しようとしている」と政府・与党の対応を批判した。衆議院の国家安全保障特別委員会は6日の委員会で国家安全保障会議設置法案を修正し、与党と民主などの賛成多数で可決。7日の本会議でも可決させる見通しになっている。修正案では首相・官房長官・外相・防衛相の4大臣会合の議事録作成について「速やかに検討する」ことを付帯決議に盛り込んでいる。
志位委員長は「秘密保護法案は国民の目、耳、口を塞ぐ悪法であり、臨時国会で強行など、とんでもない」と警戒を強めている。
また、「秘密保護法の立法理由が存在しない」と強くけん制。法制の必要性に疑問があると指摘。志位委員長は「すでにある国家公務員法や自衛隊法、刑事特別法、MDA秘密保護法などの刑罰法規があるが、情報の漏えいが起こり国の安全が侵害されたことなどまったくない」として、秘密保護法案は「日米など軍事同盟強化のために国民の権利を侵害する。ここに目的がある」と批判した。
また「秘密保護法の恐ろしさは容疑者や被告人にされた場合、防御する手段がないという問題」と指摘。「被告人はどういう被疑事実で裁かれているのかが秘密で、弁護人が秘密にアクセスしようとすれば処罰される。裁判までが暗黒裁判になってしまう」と警鐘を鳴らす。
一方、政府は日本版NSCを設置し、安全保障に関して米国などと情報共有するためには情報保全を担保する日本としての法制が是非必要で、秘密保護法はNSCを実効性のあるものにするためには一体としており、衆院国家安全保障特別委員会で赤嶺政賢衆議院議員が「同盟国に対しても情報収集活動をする米国となぜ情報共有する必要があるのか」と質したのに対し、安倍晋三総理は「情報共有はわが国の安全にとって極めて有意義だ」とかわすなど、秘密保護法の今国会での成立に意欲を示した。(編集担当:森高龍二)