米国製の電気自動車(EV)といっても、あまりピンと来ないかもしれない。しかし、そのメーカーの今年7月から9月までの決算が前年比9倍の売り上げ(4億3134万ドル・約424億円)を達成したというと、ちょっと興味をそそられるのではないだろうか。
パナソニック<6752>と米国のバッテリー式電気自動車(EV)を製造・販売するテスラモーターズ(テスラ)は、パナソニックがテスラにEV用リチウムイオン電池の供給を拡大する契約を締結した。
パナソニックは今後の4年間(14年~17年)で約20億セルのリチウムイオン電池をテスラに供給する。
テスラがパナソニックから購入する電池は、セダン・タイプの「モデルS」と同じく14年末までに量産予定の多目的車の「モデルX」にも搭載されることになっている。
両社は、EV用の次世代電池を開発、EV市場の拡大を加速するなど、これまで数年に亘る協力関係を築いており、それが今回の契約締結に繋がったという。
パナソニックの円筒形のリチウムイオン電池を複数組み込んだテスラのEV用電池の専門技術の高さをテスラのオープン・タイプのスポーツカー「ロードスター」と「モデルS」での2億km以上の走行実績が実証している。
さらに今回、パナソニックとテスラは、高いエネルギー密度と性能を実現する次世代の電池を開発した。パナソニックの円筒形リチウムイオン電池は、特にEVの品質や寿命を最適化するように開発され、テスラは、これらの電池を使用して「モデルS」で航続距離約500kmを実現している。
テスラの共同創業者で最高経営責任者のイーロン・マスク氏は、「テスラにとって今回の契約締結で引き続きEVの生産ペースを高められることは重要な意味を持ちます。今後もパナソニックとの関係を強化できることを期待しているとともに、両社の協力関係を続けることが今後のテスラの成功に不可欠と確信しています。」と述べている。
パナソニックの社内カンパニー、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社社長の山田喜彦氏は、「テスラと戦略的なパートナー関係が持て大変光栄です。パナソニックは、生産体制を増強してテスラのEVの生産拡大に十分なリチウムイオン電池を供給してまいります。」とコメントしている。(編集担当:久保田雄城)