通常、新型車というものは、発売直後に販売台数のピークがあり、その後徐々に、売り上げが落ちて行く。そこでテコ入れとして、マイナーチェンジを行い、目新しさを演出していく。それも効果が薄れてくると、フルモデルチェンジを行う。それが定石だ。しかしながら、もちろん例外もある。年を追うごとに販売台数を伸ばすクルマもある。それが日産<7201>、EV(電気自動車)「日産リーフ」だ。
日産は、「日産リーフ」の日本市場における販売累計台数が、9月末で3万台に到達した、と発表した。
また、世界全体では、9月の販売台数が4,700台を超えて単月として過去最高となっている。「日産リーフ」は、世界の各市場で販売の勢いが高まっており、グローバルの累計販売台数は、9月末時点で83,000台となった。
「日産リーフ」は、世界初の量産型100%電気自動車として、2010年12月、日本及び北米を皮きりに販売を開始した。昨年度は年間を通して日本市場で11,600台を販売し、今年度の販売台数は昨年度を更に上回る見通しだという。
日産は、販売台数が好調に推移している理由について、「日産リーフ」の圧倒的に安いランニングコスト、加速の良さ、快適な室内の静粛性、携帯電話やパソコン等からエアコンや充電のリモート操作ができる便利なIT機能など、走行中のCO2排出がゼロということだけには留まらない、電気自動車ならではの様々な特徴が、発売後2年9か月を経て、徐々にユーザーに浸透しているものと分析している。
課題のひとつである、急速充電インフラの整備も全国で加速している。9月末時点で急速充電器の数は合計約1,900基 となった。この内、約800基は日産ディーラーに設置されているものだが、13年度下期には、新たに約700基を設置する予定。今年度は、政府による1,005億円におよぶ充電器設置補助金の後押しもあり、今後更なるインフラ整備の加速が期待されるだろう。(編集担当:久保田雄城)