健康保険組合連合会や国民健康保険中央会など6団体は田村憲久厚生労働大臣に対し、平成26年度の診療報酬改定について「診療報酬全体ではマイナス改定とすべき」との要請を18日までに行った。
要請は「賃金・物価の伸びを上回る改定がこれまでに行われてきていること」を理由にあげたほか「年間1兆円以上の医療費の自然増があることや現下の賃金・物価の動向、保険者の財政状況、医療機関の経営状況等を考慮して改定するという本来あるべき原則に基づいた対応を」と求めている。
また来年4月からの消費税の8%への引き上げなども含め「診療報酬改定率をプラスにすることは国民の理解や納得を得られない」としている。
6団体は「これまでの改定でしばしば行われてきた薬価・特定保険医療材料改定分(引下げ分)を診療報酬本体の引上げに充当するやり方を取り止め、薬価等改定分は国民に還元する必要がある」と提言。
また「改定にあたっては限りある財源を効率的かつ効果的に配分することを主眼に高度急性期から急性期、亜急性期、慢性期に至る病床の役割を明確化したうえで機能に応じた評価を行うとともに、一般病床における長期入院の是正による入院期間の短縮、社会的入院の解消、主治医機能の強化による外来受診の適正化、後発医薬品の使用促進等、全体としての医療費の適正化を図っていくことを基本方針とすべき」としている。
6団体は「医療経済実態調査で医療機関の経営状況は病院、診療所、薬局とも安定していて、他産業と比較しても一般診療所(医療法人・無床)は業種別の利益率比較で上位にある業種と同等の利益率を計上している。加えて、開業医を中心に医師の給与は概ね増加傾向にある。これは過去3回の改定において日本経済がデフレ状況に苛まれていたにも関わらず、診療報酬本体がプラス改定されてきたことを如実に表しているもの」と指摘した。(編集担当:森高龍二)