ヤマハ発動機、自動車事業に参入を表明

2013年11月23日 18:51

yamaha

20日、大手バイクメーカーのヤマハ発動機は、2020年までに小型車の製造・販売に乗り出すと、自動車事業への参入を明らかにした。

 20日、大手バイクメーカーのヤマハ発動機<7272>は、2020年までに小型車の製造・販売に乗り出すと、自動車事業への参入を明らかにした。これは20日に行われた「東京モーターショー」の報道公開の場で、柳弘之社長によって語られた。

 この「東京モーターショー」においてヤマハ発動機は、小型四輪自動車の試作車である「MOTIV(モティフ)」を公開した。この「MOTIV」に関しては、10年代のうちに市販化を行えるように開発が進められているとのこと。柳弘之社長は「MOTIV」に関して、「二輪車で培った技術を活かして、人機一体感による楽しさと軽快感をもたらす車」と説明している。

 この「MOTIV」は、軽自動車規格での電気自動車(EV)としての展開と共に、排気量1000CCのガソリン車としての展開も予定している。また、日本国内以外での販売も検討されているとのこと。そして今回発表された試作車は、モーターレースの最高峰である「F1」にて、1970~80年代後半にかけて多くの名車を作り出した有名な自動車デザイナー、ゴードン・マーレー氏の会社と共同で開発されたものだ。

 かつてヤマハ発動機は60年代に、トヨタ自動車<7203>と共同で開発をした「2000GT」を販売したこともあったが、今回の「MOTIV」が販売されることとなれば、それ以来の四輪自動車となる。92年にスポーツ車「OX-99」を発表し、販売を検討したこともあったが、経済不況を理由に販売を取りやめたこともあった。

 しかしその一方でヤマハ発動機は、その後もトヨタ自動車にガソリンエンジンの供給などを継続して行っており、こうした四輪自動車販売の事業化も図りやすいとの見通しを示している。

 また、最近では新興国の経済発展にともなって、二輪車から四輪車への乗り換え傾向が強いことも、今回の自動車事業参入への後押しとなったようだ。二輪車事業における競合他社であるホンダ<7267>などが、そのブランドイメージを活かしつつ、自動車販売を順調に推移させている。こうしたホンダの状況も鑑みた上でヤマハ発動機は、自社の二輪車に対するブランドイメージを活用することで販売に相乗的な効果が得られると見込み、今回の参入に踏み切った模様だ。(編集担当:滝川幸平)