エドウイン、事業再生ADRを申請

2013年11月30日 16:26

 26日、ジーンズメーカー国内最大手であり、「EDWIN」ブランドで有名なエドウインとグループ会社28社のうち金融債務のある16社の、合計17社は事業再生実務者協会に対して事業再生ADR手続きの利用を申請したことを、東京商工リサーチが発表した。またグループ会社である「フィオルッチ」に関しては、外部株主がいることから、12月の初旬頃に手続きを追加する形で申請を行う予定。今後は、事業再生実務者協会の審査を経た後に正式に手続きが進められる模様だ。

 エドウインは1969年9月に設立されたジーンズメーカーであり、エドウイングループの中核をなす企業でもある。47年に創業された繊維製品販売店「常見米八商店」がその前身にあたる。69年の創業後、「アメカジブーム」を追い風に順調に業績を伸ばし、その結果、88年には製造部門をエドウイン商事として分離させ、国内グループ企業28社、東北を中心に生産拠点12ヶ所といった大企業に成長していった。

 「EDWIN」ブランドを中心にジーンズの製造、販売を行い、「EDWIN」以外にも「SOMETHING」、「C-SEVENTEEN」、「Gold Rush」といった人気ブランドを擁していた。また「EDWIN」ブランドの人気アイテムである「503」のCMに、ハリウッドスターのブラッド・ピットを起用したことも、大きな話題を呼んだ。

 しかし、昨今の「ファストファッションブーム」の台頭や、2011年に発生した東日本大震災の影響などにより、近年の業績は伸び悩み続けていた。そんな最中、200億円の損失隠しの疑惑があるとの報道がなされ、これに伴いエドウイン内に第三者委員会が設置され、グループ全体の動向に注目が集まっていた。

 そして今年の10月に都内で、取引先約130社を集めた説明会が開催され、その説明会ではエドウインのフィナンシャルアドバイザーである野村総研から、「業績や資金繰りに関して問題はない」と伝えられていたものの、再建に関して具体的な説明がないことに対して、関係者からは戸惑いの声もあがっていた。

 現在、すでに返済の一時停止は行われている。今回の事業再生ADR申請は第三者的な検証を目的としている。再建計画に関しても、今後同様に検証されていくようだ。(編集担当:滝川幸平)