子育てしながら働く若い女性の割合が、5年前と比べて増えていることが「平成24年 就業構造基本調査」から分かった。長引く不況の影響で、若い世代を中心に「共働きで家計維持」が当たり前になりつつある。
「就業構造基本調査」によると、出産・子育ての中心世代にあたる25~44歳の母親のうち、5年前と比べて最も有業率が増加したのは若い世代だ。母親の有業率は平成19年と比べ、「25~29歳」では6.6ポイント、「30~34歳」で6.2ポイント、それぞれ上昇している。「35~39歳」では2.6ポイントの上昇、「40~44歳」では1.7ポイントの低下となった。
出産後も仕事を続ける女性は増えている。厚生労働省の調査では、平成22年に出産した母親のうち「出産をきっかけに退職した」割合は54%と、これまでの6割からやや減少した。厚労省は「仕事と家庭の両立支援策に一定の効果が出てきた」とコメントしているが、政府の「両立支援」にどれほどの効果があったのかを正確に測定するのは難しい。
なぜなら、91年に最初の両立支援策である育児・介護休業法ができたにも関わらず、この20年間、出産退職する女性は一貫して6割前後と変化がなかったからだ。それが最近になって急に54%に低下したのは、不況の影響もかなり大きいのではないか。
国税庁のデータをみると、30代前半男性の平均給与は15年前から100万円近くダウンしている。男性1人の収入で専業主婦と子どもを養うことは難しくなっている。この状況下で、若い女性たちが出産後も働き続けるようになったのは当然の流れだ。
家事・育児と仕事の両立には大変な苦労が伴う。「常用雇用され、かつ子どもがいる女性」は幸福度が低い、という内閣府のレポートもある(※注)。子育て世帯への支援はまだまだ不十分だ。保育サービスの充実など、ワーキングマザー(もちろんワーキングファザーも)を社会全体で支えることが必要である。(編集担当:北条かや)
(※注:『子どもを持つ若年層を対象とした幸福度に関する研究』)