TMS開催期間中、六本木「メルセデス・ベンツ・コネクション」とお台場のTMS会場と結んだ、2013 年10月に「東京横浜独逸学園」が主催したイベント「オクトーバーフェスト」に来場した子どもたちによってペインティングされた「無料シャトルバス」。会場と六本木を何と20分で走った。マニュアルモード付きオートマティックだった。
第43回東京モーターショー(TMS)が12月1日に閉幕した。初の試みとして特別招待日に11月22日夜「プレビューナイト」から入場定員限定で一般に公開。『世界にまだない未来を競え』をテーマにしたTMSに、世界12カ国から181ブランドが参加し、車両部門全体で世界初公開76台、日本初公開81台が展示された。会期中の総来場者数は、前回ショー(2011年)の84万2600人を7%ほど上回る90万2800人だった。
内外の報道関係者の来場も、前回ショーの9400人を10%ほど上回る1万300人となり、まずまずTMSの注目度の高さを示したといえるだろう。
TMSプレスデー前日11月19日には、日本の自動車産業の東日本大震災からの復興とそのイノベーション力をテーマに、国内外の報道関係者・ジャーナリスト約1000名を対象としたイベント「Mobilityscape Tokyo」を都内のホテルで開催。自工会正副会長会社のトップ5名によるリレースピーチやトークセッションを行なった。自工会会員全14社および共催4団体トップも登壇。各社のトップ全員が国内外メディアと懇親するレセプションでは、自工会会員全14社の技能職スタッフが、震災からの復興のシンボルとして共同製作した鋼板製の「希望の一本松」を披露し、東京モーターショーの会場にも展示した。
今回のTMSを振り返ると、1991年の第29回のTMS来場者201万8500人をピークに入場者の減少傾向に歯止めが掛かったと見ることもできる。しかしながら、週末の混雑を見ると、これ以上の入場者を迎い入れるには、現在の会場のキャパは不足していると思われる。特に、過去にエスカレーター事故があった西展示会場はこれ以上入場者が増えると危険に思える。
参加したメーカーの偏りもやや気になるポイントで、欧米メーカーはほぼドイツ勢に席巻された恰好だ。もちろん、ドイツ車は日本市場で評価が高く、販売実績もあるブランドが揃っている。加えて、今年のCOTY(カー・オブ・ザ・イヤー)大賞はフォルクスワーゲン(VW)ゴルフでもある。残る展示輸入車メーカーは、フランス3ブランド「プジョー」「シトロエン」「ルノー」と英国車3ブランドだ。ただ、英国3ブランド「MINI」「ジャガー」「ランドローバー」は、既に英国以外の国の企業傘下となったメーカーである。同じような立場のアストンマーティン、ロータス、次回は出てきて欲しいブランドだ。
米国メジャー3(もうビッグ3じゃないですね)は、日本のマーケットにまったくフィットするクルマがない(開発するつもりもない)ので、論外とも言える。が、欧州フォードやオペルがどうなっているのか、知りたくないですか?
そして、個人的にいちばん残念なのが、イタリアの欠席だ。フィアット・グループ、苦しい事情は十分に承知している。が。フェラーリとアルファ、そして小さなFIAT ABARTH、それぞれ2台ほど魅せて欲しい。
最後に会場へのアクセス。今回プレスデーに2日、週末に様子を見るために計3日通った。速いが本数が少ない「りんかい線」、臨時ダイヤで健闘したが常に混雑して遅い「ゆりかもめ」だ。非常に便利に使わせて貰ったのが、メルセデス・ベンツの無料シャトルバス。週末の帰宅に使ったが、会場の台場「ビッグサイト」から六本木「ベンツ・コネクション」まで20分。速くて便利だった。(編集担当:吉田恒)