PKO活動の韓国軍に弾薬1万発提供は例外措置

2013年12月25日 13:56

 持ちまわり閣議で政府が決めた南スーダンでPKO活動中の韓国軍への自衛隊の弾薬1万発提供について、小野寺五典防衛大臣は24日の記者会見で「提供は例外的措置」とし「昨夜、韓国に渡った」ことを明らかにした。

 その上で、小野寺大臣は「今回の韓国軍への弾薬の提供はあくまで人道的・緊急的対応ということで行ったもので、武器輸出三原則の議論とは別なものと承知をしている」と野党などからの批判をかわす姿勢を見せた。

 小野寺大臣は「人道的な、そしてまたすぐに手当が必要な状況と私どもは把握をしていたので、なし崩し的ということの評価ではなく、人道的迅速性ということで対応させて頂いたということの理解を頂きたい」とし「武器輸出三原則については、これは新たな原則を作るということだが、今回の事案とは別な話。あくまでも、今回の事案というのは人道的な迅速な対応によるものと私どもとしては理解し対応させて頂いている」と強調した。

 日本共産党の志位和夫委員長は「武器輸出三原則廃棄につながる大問題」とし「PKO法審議の政府答弁では武器輸出三原則に従い、武器・弾薬譲渡は想定されない。国際機関の要請があっても応じない。法案審査の政府答弁を平気で覆すとなったら秘密法の答弁も同じ運命になる」と厳しく批判した。

 社会民主党の又市征治幹事長は「外国への武器輸出を禁じた武器輸出三原則に違反することは明らか」と批判。「外国における弾薬の提供とその拙速な決定過程に問題があることは当然だが、そもそもなぜ南スーダンの自衛隊は大量の弾薬を保有しているのか。2012年1月から自衛隊の部隊が本格派遣されるにあたって、政府は自衛隊が派遣される首都ジュバの治安は安定しており、全般的に国連に対する直接の脅威はないとしていた。戦闘は想定せず、派遣されている部隊も道路等のインフラや敷地等の整備を行なうための施設部隊であったはずだ」とし「1万発の弾薬を外国軍に提供してもなお十分な備蓄があるほど大量の弾薬を海外で保有していること自体が問題」と指摘した。通常国会で議論されることになる。(編集担当:森高龍二)