【日経平均2013年の振り返り】「一本調子の右肩上がり」から「三角もちあい」を経て「上放れ」でハッピーエンド?

2013年12月31日 10:06

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2013年の日経平均の年間チャートを見ると、そのパターンから大きく3つの時期に分かれる。

 2013年の日経平均の年間チャートを見ると、そのパターンから大きく3つの時期に分かれる。

・第1期(1月4日~5月23日前場)
 チャート:一本調子の右肩上がり、狭い意味での「アベノミクス相場」

・第2期(5月23日後場~11月8日)
 チャート:三角もちあい、急騰、急落を繰り返した不安定な時期

・第3期(11月11日~12月30日)
 チャート:上放れ、ガラスの天井を破り最後は年初来高値更新

■第1期(1月4日~5月23日前場)どこまで行くのか「アベノミクス相場」

 2013年の冒頭は、野田前首相が国会内の党首討論で「解散・総選挙しましょう」と言い放った翌日、2012年11月15日から始まった上昇相場の続きだった。最初は「安倍相場」だったが、後にレーガノミクスにならってつけられた造語を入れて「アベノミクス相場」と名を変える。総選挙で圧勝して自民党が民主党から政権を奪回し、12月26日に第二次安倍内閣が発足。そして2013年が明け、1月4日の大発会は10604円で始まり、大納会から292円も上昇し終値は10688円と、幸先のいいスタートを切った。

 第1期の日経平均は終値ベースで1月30日に11000円台、3月8日に12000円台、4月8日に13000円台、5月7日に14000円台、5月15日に15000円台と順調に乗せ、為替の円安と軌を一にしてほぼ右肩上がりの上昇を続けた。途中、イタリアの総選挙、キプロス・ショック、北朝鮮の挑発発言などでもたついた時期もあったが、凹みらしい凹みは4月2日に12000円台を割り一時11805円まで下げた時ぐらい。特に5月に入ってからの上昇ぶりは著しく、そのまま続けば年末までに日経平均の史上最高値38957.44円を上回れるほどのハイペースだった。

 「アベノミクス」「三本の矢」と言っても1月から3月頃まではまだ方針の大枠だけで、期待先行で為替の円安と株価上昇が進んだ。緊急経済対策の公共投資増額で建設業、教育費の生前贈与で学習塾、子育て支援で保育関連、スポーツ庁創設でスポーツ関連というように、政策の話が小出しで出てくるたびに関連銘柄に火がつくというパターンを繰り返し、「政策に売りなし」という言葉が踊った。

 北朝鮮が2月に核実験を行い、春には日韓合同演習に刺激され「無慈悲な鉄槌を下す」などと挑発的な言動を繰り返し、防衛関連銘柄がたびたび買いを集めた。中国船が尖閣諸島近海に現れたり、自衛隊の艦船がロックオンされた時も買われた。その中国の大気汚染で「PM2.5」関連銘柄が注目を集め、iPS細胞関連銘柄は京都大学の山中伸弥教授がノーベル賞を受賞した前年から引き続いての人気。鳥インフルエンザのニュースも関連銘柄をランキング入りさせた。TPP交渉を前にして農業関連、海運株がよく動き、シェールガス、石炭、メガソーラー、風力発電などエネルギー関連のテーマ株物色も盛んだった。

 アベノミクスは期待先行で、政治家の発言で株価がよく動いたのもこの頃で、主役級は麻生太郎財務大臣と甘利明経済再生担当大臣。麻生大臣の金融緩和政策に関する発言には市場は敏感に反応した。甘利大臣は、円安にクギを刺して円高と株価下落を招いたことも、円安を容認して円安と株価上昇を招いたこともあった。「3月末までに日経平均13000円が目標」という期待を口にすると、それが一人歩きして「天城越え」ならぬ「甘利超え」という言葉まで生まれた。

 その甘利大臣の期待をかなえた男が3月20日に就任した黒田東彦日銀総裁である。アベノミクスの「金融緩和の矢」に深く関わる日銀総裁人事は市場の重大関心事で、候補者の人名が出るたびに反応したが、2月25日に黒田氏に決まると金融株を中心に大幅上昇。就任後初の日銀金融政策決定会合の結果が発表された4月4日後場は第1期のハイライトだった。インフレ率2%を2年以内に達成するためにマネタリーベースを年間60~70兆円増やし2年で2倍に拡大するという量的・質的金融緩和は、別名「黒田異次元緩和」「黒田バズーカ砲」。債券市場は混乱したが株式市場は急上昇し、翌5日の売買高は64億株と今年最多を記録している。アベノミクス相場はここから新たな段階に入る。

 5月10日の為替のドル円の100円突破や、3月期決算で強気の通期業績見通しが揃ったことなどでドライブがかかり、5月15日には15000円を突破。21日は62億株、22日は63億株の大商いになり、23日の前場で日経平均は15942円のピークに達する。

 しかしその日の後場、バーナンキFRB議長の量的緩和早期縮小への言及、中国PMI指標の悪化などを材料に、天に向かって伸びきった日経平均は、まるで神の怒りに触れたバベルの塔のごとく大崩壊をきたす。先物・オプションの一斉売りを機に現物も一気に1459円下げ、日経平均採用225種全てが下落し、前日比1143円安、7.32%下落の大暴落。後場の2時間半だけで東証1部銘柄の時価総額28兆円が雲散霧消してしまった。それは狭い意味での「アベノミクス相場」が終焉を告げた出来事だった。