「1回30分」コンビニフィットネスが狙う新たな市場

2014年01月09日 17:51

 年末年始の食べ過ぎを反省し、この時期、ダイエットの必要性を実感する人は多いだろう。だが、ランニングや筋トレなどの運動は疲れそう…。そんな苦手意識をもつ女性たちに、人気のスポーツジムがある。その名は「カーブス」。同社は「女性だけ、1回30分」を売りにした「コンビニフィットネス」で、全国に約1400店舗を展開する一大チェーンだ。

 カーブスは92年に米国で誕生し、05年に日本上陸。「スタッフも会員も女性だけ」「1回30分」をアピールし、中高年の女性をターゲットに顧客を開拓してきた。会員の9割が40歳以上で、最高齢は95歳という。口コミで入会する主婦らが多い。

 出店は主に、住宅地の居抜き物件、大型ショッピングセンター内の空テナントを利用。大掛かりなプールやシャワー室を設けないため、低コストで大量に出店できる。夜間は営業せず、電気代などをカットできるため、料金は割安になる。入会金は1万5000円だが、その後は月に何度通っても5900円、または6900円とシンプル。大手のフィットネスクラブでは1ヶ月1万円以上するケースも多いので、カーブスの会費を「割安」と感じる主婦層は多い。こうしたお得感と「1回30分」の手軽さで、運動に苦手意識のあった中高年女性の需要を掘り起こした。

 「コンビニフィットネス」は新たなビジネスモデルとして、広がりを見せつつある。カーブスの人気を受け、12年には株式会社メガロスが「男女ともに使える」小型フィットネス、「らくのびステーション」をオープン。汗をかく筋トレではなく、「疲れない」ストレッチに重点を置く。こちらは夜10時半まで営業しており、仕事帰りのサラリーマンやOLの利用を見込む。料金は1ヶ月4000円で、カーブスよりも安くした。会員数は順調に伸びており、今後は多店舗展開も視野に入れているという。

 「運動したいが、無理はしたくない」。こうした人々のニーズを掘り起こす「疲れない」コンビニフィットネス。今後、全国的に増えていく可能性は高いだろう。(編集担当:北条かや)