日本最大級のカスタム、チューニングカーの祭典である「東京オートサロン2014with NAPAC」が、1月10~12日の期間、幕張メッセで開催されている。
この東京オートサロンとは、1983年に「東京エキサイティングカーショー」としてスタートしたもので、その後、1987年の第5回目からは「東京オートサロン」に名前を変更し、会場も晴海から有明、そして現在の幕張メッセへと会場を移動する毎に、規模も拡大し続けてきている。特徴的なのは自動車の展示だけではなく、ドリフトやレーシングマシンの走行、avexアーティストのライブ、キャンギャルの撮影などがあり、クルマ好きだけではなく、子どもや家族でも楽しめる、国内最大級のイベントにまで成長、変化してきた。
同じように自動車のイベントとして有名な東京モーターショーは、昨年に開催され、まだ記憶に新しいが、こちらは自動車メーカーやパーツメーカーの出展がメイン。それに対して東京オートサロンは、アフターパーツメーカーや、チューニング・カスタムショップがメインとなっている。ところが、当初、車の“改造”に難色を示していた自動車メーカー各社が、積極的に出展してきており、2014では国内自動車メーカー全8社に加え、前回に続きルノー・ジャポン、さらにはメルセデス・ベンツが初参加している。
その理由としては、自動車の改造に対して大幅な規制緩和がされたことで、違法改造車が合法になったこと。またノーマルのまま乗るのではなく、自分好みにアレンジして、自分だけの一台にすることに、楽しさを感じる人が増えたことなどがあげられる。実際、自動車メーカーも、多くのカスタムパーツを販売しているし、アフターパーツを納車前に取り付けるユーザーも増えてきた。
このチューニング・カスタム人気を察知した自動車メーカーは、新車やコンセプトモデルを発表する場に東京オートサロンを選んできている。たとえば、今回、富士重工業<7270>が新型「WRX STI」を公開し、トヨタ<7203>は4台のコンセプトモデルを展示。またルノー・ジャポンは20台限定の「メガーヌ ルノー・スポール ジャンダルムリ」を発表した。
ちなみに、このイベントの規模を、モーターショーと比較してみると、東京モーターショー2013は、出展社数178社、展示車両426台(二輪車含む)だったのに対し、東京オートサロン2014は出展社数428社、展示車両は840台と倍以上。また来場者数を見みると、東京モーターショー2013は10日間で90万2800人(前回よりも7%増加)。これに対して東京オートサロン2014は、3日間で30万人の見込み(前回は28万2659人)。単純に1日あたりの来場者数で考えたら、オートサロンの方が多いのだ。
自動車の新車販売もここのところ売れ行き好調だ。アベノミクス効果や増税前の駆け込み需要もあるのだろう。東京オートサロンを見る限り、自動車人気は確実に復活してきている。(編集担当:鈴木博之)