ソフトバンク、スマホ向け音声定額プランを発表

2014年01月26日 16:15

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ソフトバンクはスマートフォン(多機能携帯電話)向けのデータ通信と音声通話をセットにした定額料金プランを4月21日から開始すると発表した

 24日、ソフトバンク<9984>はスマートフォン(多機能携帯電話)向けのデータ通信と音声通話をセットにした定額料金プランを4月21日から開始すると発表した。音声通話を含めた定額プランは国内初となる。無料通話・メールアプリ「LINE(ライン)」の普及により、携帯会社各社とも音声通話による収入が減少している今、そうした新しい定額制の導入により収益を確保したい考えがあるようだ。

 今回発表された定額プランは、高速通信サービス「LTE」対応のスマートフォンを新規購入するか、新しい機種に変更した場合が対象となる。プラン数は3つで、主力となる「Mパック」は月額6980円となっており、1回5分以内の通話を月1000回まで、データ通信は月7ギガバイトまで高速で使用することが出来る。通話が1回5分以上、また月1000回を超えた場合には、30秒につき30円の料金が発生する。

 従来のプランでは定額データ通信料(7ギガバイトまで)が月額5700円、音声通話は30秒につき20円。ソフトバンク同士で通話した場合、無料となる時間帯もあるため、ユーザーにとって今回の定額プランが必ずしも得となるかは、一概には言えない。ただ、頻繁に通話する相手がソフトバンクではなく、また通話する時間帯の定まっていないユーザーが短時間電話する場合などには、お得となることが予想される。

 音声通話による収入が減少し続ける今、ソフトバンクとしてはそれを食い止めたい考えから、今回こうした定額プランの導入に踏み切ったものと思われる。従来型の携帯電話(ガラケー)では音声通話がメインであったが、普及率の上がり続けるスマートフォンではデータ通信がメインとなっている。また「LINE」の普及の影響などから、ソフトバンクの1契約あたりの月間平均音声通話収入は2012年度には1400円と、5年前の半分以下となっている。しかし今回の定額プランにより、そうした音声通話収入を安定させられる可能性がある。

 ただし、通話料金を気にしないで使用出来るため、それにより通信量が増加し過ぎてしまい速度が遅くなる原因となっていることから、アメリカなどではそうした定額制を廃止しようとする動きもある。(編集担当:滝川幸平)