4日、シャープ<6753>は2014年3月期の連結営業利益予想を、昨年5月時点の800億円から1000億円に上方修正すると発表。前年は1462億円の赤字であった。国内外の景気回復に伴い電子機器の需要が高まり、それにより主力である液晶パネル販売が増加。4Kなどの高価格帯商品を中心に、国内の液晶テレビ需要も高まった。それ以外にも、空気清浄機やエアコン、ソーラーパネルなどの販売も増加し、また経費節減も効果を発揮して収益力が回復した。
売上高もこれまでの予想である2兆7000億円から2兆9000億円(前年比17.0%アップ)に修正。その一方、支払利息や新興国通貨安の影響、そして資金調達関連費用などにより、営業外費用を200億円積み増すこととなったため、当期純利益予想はこれまでの50億円に据え置いた。黒字転換を目標としている営業利益は、これまでの予想よりも200億円増やし1000億円とした。
シャープはこの上方修正に関して50億円の最終利益は確保するつもりとしており、取引銀行の支援条件である今期最終黒字化も視野に入れている模様。また昨年5月に策定した中期経営計画に関しても、上方修正する方針のようだ。
14年3月期の液晶事業の営業利益計画は、これまでの300億円から400億円に修正。スマートフォン(多機能携帯電話)向けの中型・小型液晶が拡大した以外にも、他の企業への液晶技術の指導料といった、エンジニアリング収入の増加が寄与した。
13年10~12月期の液晶事業の営業利益は260億円。しかしこのうちの約200億円が、中国電子信息産業集団(CECグループ)と南京市で共同設立する液晶工場での技術指導料などのエンジニアリング収入であった。1~3月期はこうしたエンジニアリング収入が見込めない分、採算性の高い中型・小型液晶の出荷を増やし利益確保に努める。
同日に発表された13年4~12月期決算では、売上高は前年同期比21.0%アップの2兆1572億、営業損益は814億円の黒字であり、前年の1662億円の赤字からの脱却に成功した。純利益は177億円であり、4~12月期としては3年ぶりの黒字となった。(編集担当:滝川幸平)