【日経平均】SQを通過しても先物売り止まらず221円安

2014年02月14日 21:09

 13日のNYダウは63ドル高で終値で3週間ぶりに16000ドル台回復。1月の小売売上高は横ばいの市場予測を下回る0.4%減で朝方は安く始まったが、午前のうちに買い戻され前日比プラスに浮上した。何事も「お天気のせい」にすれば丸く収まる。そのお天気は寒波が再襲来しワシントンDCは東京と同様に大雪で、イエレンFRB議長の上院での議会証言が延期された。ケーブルテレビ首位のコムキャストが2位のタイム・ワーナー・ケーブル(TWC)買収を発表しTWC株は7%上昇。反トラスト法に照らし司法省はどう出る? 14日朝方の為替レートはドル円は102円台前半、ユーロ円は139円台後半だった。

「マイナーSQ」の日経平均は3.46円高の14538.20円と小幅高で始まる。TOPIXは1200台回復。6分ほどで14600円台に乗せシカゴCME先物清算値の14625円にサヤ寄せしたところでSQ値14536.09円が出る。SQ値が出れば「イベント通過」で、たちまち「御三家」中心に買い戻され日経平均は午前9時22分に14678円まで上昇した。その後は14600円台前半で推移し、10時すぎに14600円を割り込んでもすぐ反発して底堅かったが、10時45分すぎから異変発生。TOPIXが1200を割り込んでマイナスになり日経平均は14600円を割り込み、さらに11時10分すぎには先物主導で始値もSQ値も前日終値も一気に割り込み、「まぼろしのSQ」を消し、さらに14500円台も陥落。中国の1月の消費者物価指数(CPI)が市場予測を上回る2.5%増で上海も香港もプラスで始まり、為替も大きく変動していないので、「手がかり難」「利益確定売りの金曜日」のようなヤワなものではなく債券が盛んに買われる本格的なリスクオフで、前引は99円安の14435円だった。

 後場はドル円が101円台まで円高が進行したこともあり14400円を割り込んで再開。14300円も下回って14200円台に落ち、午後0時44分に14243円の最安値をつけた。日経新聞に、中国の理財商品のデフォルト懸念で中国企業の社債やCPの発行見送りが相次ぎその額が日本円で1000億円という記事が出たが、「中国で何が起きるかわからない」というチャイナ・リスクオフの要素も入っていたかもしれない。日経平均は1時台後半から少し戻し14300円台でアップダウンの後、221.71円安の14313.03円で2勝2敗、前週末比149.38円の下落で今週の取引を終えた。年明けは6週連続マイナス。日中値幅は435円と非常に大きかった。TOPIXは-15.92の1183.82。売買高は28億株、売買代金は2兆6504億円と、SQにしては少なめだった。

 値上がり銘柄は244、値下がり銘柄は約83%の1490。業種別騰落率は石油・石炭だけがプラス。マイナス幅の小さい業種は鉱業、情報・通信、保険、倉庫、その他製品など。大きい業種はその他金融、不動産、パルプ・紙、証券、鉄鋼、非鉄金属などだった。

 日経平均採用225種は値上がり26銘柄、値下がり199銘柄。プラス寄与度1位は、経営統合先のアプライド・マテリアルズが好決算を出し株価が上昇して308円高と連れ高した東京エレクトロン<8035>で+12円、2位は4~12月期で純利益2.6倍の好決算を発表し野村證券、JPモルガンが目標株価を引き上げ58円高の太陽誘電<6976>で+2円。マイナス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で-43円、2位はファナック<6954>で-14円だった。

 メガバンク、大手証券は全滅状態の全面安の中でも、各セクターに一つ、二つはプラス銘柄が見受けられた。自動車大手はトヨタ<7203>78円安、ホンダ<7267>40円安、マツダ<7261>16円安でも日産<7201>は10円高。電機大手はソニー<6758>26円安、日立<6501>14円安、シャープ<6753>6円安でも三菱電機<6503>は14円高。通信大手はソフトバンク<9984>7円安、NTT<9432>38円安でもKDDI<9433>は5円高、NTTドコモ<9437>は4円高だった。アドバンテスト<6857>は7円高、アルバック<6728>は通期の経常利益、純利益を上方修正し152円高で昨年来高値を更新し値上がり率9位。好決算の日本ガイシ<5333>はクレディスイスがレーティングを引き上げて52円高になった。

 タイヤ業界にニュースが多く、グッドイヤーから資本・業務提携の解消の申し入れがあった住友ゴム<5110>は、「ダンロップ」ブランドは残るが51円安。ブリヂストン<5108>はカルテル問題でアメリカ司法当局と447億円の罰金支払いで合意したと伝えられ43円安。横浜ゴム<5101>は後場に12月期本決算を発表し、今期の経常利益見通し3.4%減を嫌気されプラスだった株価が急落し17円安。一方、前場に本決算を発表した東洋ゴム工業<5105>は、今期営業利益見通しの7.4%増を好感されて急伸し58円高で値上がり率6位に入った。

 JXHD<5020>はSMBC日興証券がレーティングを2階級特進させて11円高になり、石油・石炭を唯一のプラスセクターに押し上げた。味の素<2802>は上限300億円の自社株取得枠を設定し52円高。キリンHD<2503>は12月期本決算を発表し通期の純利益見通しは前期比43%減なので131円安で値下がり率6位になった。電通<4324>は4~12月期の営業利益が8.9%減で180円安と売られた。ミクシィ<2121>はスマホ向けゲーム「モンスターストライク」が好調で、結婚支援事業も貢献し通期営業利益見通しを16億円の赤字から2億円の黒字に大幅上方修正。ストップ高比例配分で19.08%上昇の1000円高と買われた。不祥事でストップ安比例配分が続いたリソー教育<4714>は何もニュースはないものの4日ぶりに自律反発し、売買高10位で29円高。安く始まったので昨年来安値を更新しながら値上がり率7位に入るという珍現象が起きた。

 この日の主役は直近3日間の業種別騰落率がブービー賞、最下位、ブービー賞の不動産。大手3社は三井不動産<8801>は89円安、三菱地所<8802>は51円安で、4~12月期はマンション販売が好調で過去最高益だった住友不動産<8830>も187円の大幅安。東京建物<8804>は23円安。人気銘柄のサンフロンティア不動産<8934>は72円安、ケネディクス<4321>は21円安だった。1年前はアベノミクス相場を引っ張り、倉庫など不動産含み資産株にも物色を波及させたこのセクターは、明らかに変調している。

 不動産に関しては首都圏のマンション販売動向が12月、1月と伸びが鈍化して1ケタになり、12日に発表された東京建物の12月期本決算の今期営業利益見通しが8%減と弱気で中期経営計画も市場予測も下回っていたこともあるが、東京・南青山の「億ション欠陥工事事件」も影を落としている。三菱地所レジデンスが分譲し鹿島<1812>が施工した物件だが、配管穴の施工ミスが発覚し、違約金を支払って全ての契約を合意の上で解約した一件。「REITなら完成物件だけなので、こんな不測のリスクは負わない」と思われたのかどうかわからないが、不動産銘柄が軒並み売られたこの日も、東証REIT指数は0.17%の小幅安にとどまった。(編集担当:寺尾淳)