NISAの申し込み年内に865万件に 野村総研が予測

2014年02月16日 14:36

 2014年1月から始まったNISA(少額投資非課税制度)が好調だ。国税庁の発表によると2014年1月1日の時点で、NISAの口座開設数は475万件に上っている。野村総合研究所(野村総研)では、NISAについての利用実態調査を実施、NISA口座の申込みは年内に865万件まで伸びると試算した。

 NISAの認知度については、「聞いたことがあり、内容も知っていた」が25.7%、「聞いたことはあるが、内容は知らなかった」は43.8%で、両者あわせて69.5%となった。NISA導入が閣議決定された直後、13年2月に行った調査では、あわせて22.4%(それぞれ4.8%、17.6%)であったのに対して、1年間で3倍以上となった。株式などへの投資を行っていない「非投資家」層においても、NISAの認知度は合わせて63.0%(それぞれ14.8%、48.2%)に達している。

 また、NISAを聞いたことがある人に、そのきっかけを尋ねた結果では、「テレビ・ラジオで聞いた」(61.3%)、「新聞・雑誌で読んだ」(44.0%)が高くなっている。

 野村総研では今回の調査をもとに今後のNISA口座の申込数を予測した。その結果、2014年2月から12月までに215万人が申込み、2014年末には累計で865万件に達すると推計した。

 NISA口座の開設先は、ネット専業以外の「一般の証券会社」が最も多く、今回の調査で口座開設を申込んだ人の33.1%に達している。それに対し、「一般の銀行」は29.1%だった。しかし、これから申込を考えている人については、開設先を「一般の証券会社」としている人が16.3%なのに対し「一般の銀行」と回答した人は48.5%にのぼっており、今後、「一般の銀行」の割合が増えていくものと考えられるとした。

 NISA口座への投資方法は、タイミングを見て一時金で投資する方法と毎月積み立てる方式に分けられる。既に運用開始した人の84.4%は一括型投資、6.5%は積立型投資だった。また、9.1%が両者の併用と回答。既に投資を開始した人達には、投資経験者や高齢者が多く、比較的余裕資金があることから、一括型投資の比率が高くなったと考えられるという。一括型投資の投資金額の平均値は64万1000円、積立型投資の平均値は月額3万1081円で年に換算すると37万2000円。また、両者併用の回答者の平均投資金額は年額30万4000円だった。これら全体の平均は、59万3000円となった。なお、追加投資を考えている人は既に投資を開始した人の50.2%だった。

 NISAとは、上場株式や投資信託への投資によって得られる配当(分配)や売却益を非課税にする制度。この非課税口座で購入できる上場株式や投資信託は、年間100万円まで。つまり、少額の投資ならいくら儲けても税金がタダになるのだ。このため、スタート前から注目を集めていたが、滑り出しは好調のようだ。(編集担当・慶尾六郎)。