【今週の展望】日経平均ワールドとTOPIXワールドの二面性

2014年01月19日 20:08

 今週、1月第3週(1月20~24日)は5日間の取引。20日の月曜日はニュージーランドは「ウエリントン記念日」で休場。アメリカは「キング牧師生誕記念日」で休場。私には夢があるという投資家は「約束の地」に到達できるか? 

 国内の経済指標は、20日は11月の鉱工業生産指数確報値・稼働率指数、12月のコンビニ売上高、21日は12月の首都圏新規マンション発売件数、22日は11月の全産業活動指数が、それぞれ発表される。

 21日から23日までスイスで開かれる「ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)」に安倍首相が出席し、22日に日本の首相として初めて基調講演を行う。21~22日は日銀の金融政策決定会合が開かれる。「日銀展望リポート」の中間評価が行われ、22日は会合終了後、午後3時30分から黒田日銀総裁が記者会見を行う。4月の消費増税後の景気減速を食い止めるカンフル剤に取っておくので追加緩和の可能性は低いと思われる。23日には日銀の「金融経済月報」が発表される。23日は「原発推進VS脱原発」の様相を呈してきた東京都知事選が告示される。投開票は2月9日。24日には2014年度予算案が審議される通常国会が召集され、安倍首相が施政方針演説を行う。25日から27日まで安倍首相はインドを訪問する。

 主要企業の決算は、20日は津田駒工業<6217>、メルコHD<6676>、21日は東京製鐵<5423>、22日は光世証券<8617>、日本電産<6594>、日本航空電子工業<6807>、日本電産コパル電子<6883>、ワイ・イー・データ<6950>、安川情報システム<2354>、23日は東陽テクニカ<8151>、ハチバン<9950>、DNAチップ研究所<2397>、安川電機<6506>、24日はジャフコ<8595>、リコーリース<8566>、阿波銀行<8388>、サカイ引越センター<9039>、帝国ホテル<9708>、エムスリー<2413>、コムチュア<3844>、センチュリー21・ジャパン<8898>、富士通ゼネラル<6755>などが発表する予定。東京製鐵、日本電産、航空電子、安川電機の決算は注目を集めそうだ。

 海外の経済指標は、20日は中国の10~12月期国内総生産(GDP)、12月の鉱工業生産、都市部固定資産投資、小売売上高、21日はドイツの1月のZEW景況感指数、22日は英国の12月の失業率、23日は中国の1月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値、フランス、ドイツ、ユーロ圏の1月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値、アメリカの12月のシカゴ連銀全米活動指数、11月のFHFA住宅価格指数、12月の中古住宅販売件数、CB景気先行指標総合指数、北米半導体製造装置BBレシオが、それぞれ発表される。

 21~24日にマレーシアのクアラルンプールで東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉第3回会合が開かれる。21~25日にスイスで「ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)」が開かれる。21日には旧ユーゴのセルビアがEU加盟交渉を始める。認められれば旧ユーゴではスロベニア、クロアチアに次いで3番目の加盟国になる。そのセルビアから独立したモンテネグロ、コソボはEU非加盟だがユーロが非公式に流通。スロベニアはユーロ正式導入済み。クロアチアはEU加盟国だが通貨はユーロではない。今年は第一次世界大戦を勃発させた「サラエボ事件」から100周年だが、昔も今もこの地域はややこしい。21日にIMF(国際通貨基金)が「世界経済見通し(WEO)改訂版」を発表する。

 アメリカ主要企業の決算はIT関連企業が多くなり、21日はベライゾン、テキサス・インスツルメンツ、IBM、トラベラーズ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、AMD、22日はユナイテッド・テクノロジーズ、イーベイ、サンディスク、コーチ、23日はマクドナルド、マイクロソフト、インテューイティブ・サージカル、スターバックス、24日はP&Gが発表する予定。

 2014年の東京株式市場が始まって2週間が経過した。その間のマーケットは、先物主導でボラティリティが大きい日経平均と着実に値を積み上げるTOPIX、ノイジー・マイノリティ(声高な少数派)の「迷走」とサイレント・マジョリティ(声なき多数派)の「堅調」とに二極分化した様相を呈した。30銘柄しかないNYダウと比べると日経平均は225銘柄もあるので本来マイノリティとは言えないはずだが、それでも毎日の寄与度ランキングを見れば、マッチ1本で街じゅうが火事になるようなカラクリがビルトインされていることを誰でも理解できるだろう。