野田佳彦総理への問責決議案が29日夜の参議院本会議で賛成129票、反対91票で可決された。国民の生活が第一やみんなの党、社会民主党など野党7会派が提出していた。自民党は問責決議を優先し、公明党は採決に参加しなかった。
野田総理は問責決議案には法的拘束力はないとして、衆議院の解散、総選挙には応じない構え。
ただ、今回の問責決議により、国会は事実上、一部の法案を除き、審議がストップするなど機能しなくなるため、野田内閣の外交に大きなダメージは否めない。始まった日朝の予備協議をはじめ、竹島をめぐる日韓関係、中国との尖閣諸島をめぐる問題やロシアとの北方四島をめぐる交渉にも野田内閣の基盤の脆弱さを露呈する格好になる。
この時期の総理への問責決議が党利党略でなかったとしても、外交上の国益に照らしてどうなのか。早期の解散・総選挙を求める声が強まる一方で、与野党超えて知恵を出し合わなければならないときにと批判的な声も国民から聞こえてくる。(編集担当:森高龍二)