電機ではソニー<6758>が売買代金4位と人気が集まり42円高。業績回復で新卒採用を3倍の300人に増やす計画のシャープ<6753>は5円高。パナソニック<6752>は6円高、富士通<6702>は3円高だったがNEC<6701>は6円安でひとりカヤの外。日立<6501>は15円高、東芝<6502>は出資したアメリカのウラン濃縮会社が経営破たんという第一報が流れたが9円高。セイコーエプソン<6724>は145円高で昨年来高値更新。東京エレクトロン<8035>も168円高で昨年来高値を更新した。
2013年の携帯電話の国内出荷は4年ぶりに1.9%のマイナスでもスペックの進歩は止まらない。カメラ機能は手ぶれ補正などデジカメ以上が求められ、ミツミ電機<6767>、アルプス電気<6770>のような部品メーカーが高級スマホ向けに増産中という記事があり、ミツミ電機は37円高、アルプス電気は前日にCB(転換社債)を300億円起債すると発表し希薄化懸念で朝方はマイナスだったが後場上昇し24円高で終えた。この日は京セラ<6971>が113円高、日東電工<6988>が180円高、日本電子材料<6855>がストップ高の80円高で値上がり率1位など、電子部品関連に大幅高の銘柄が目立った。
新日鐵住金<5401>は合併後約1年半で約3000億円の資産圧縮を完了と発表して売買高5位で5円高。神戸製鋼<5406>は売買高4位で2円高と鉄鋼セクターは堅調。HOYA<7741>は53円高で昨年来高値を更新。シスメックス<6869>は3月31日に1対2の株式分割を行うと発表し160円高。クミアイ化学工業<4996>は前日に11~1月期決算を発表し、営業利益5.6倍の大幅増益を好感され46円高で値上がり率7位に入った。エーザイ<4523>はアメリカのバイオジェン・アイデック社とアルツハイマー型認知症の治療剤に関する共同開発・共同販促契約を締結し60円高と買われた。
前場に発表された2月の東京都心部オフィス空室率は前月比0.17ポイント改善し7.01%で4年9ヵ月ぶりの低水準。バークレイズが目標株価を引き上げた三井不動産<8801>が売買代金6位、135円高になるなど不動産銘柄は軒並み高で、それに影響され「東京ベイエリア含み資産」銘柄も久々浮上。値上がり率ランキングでは2位に33円高で売買高も2位、売買代金9位の日本冶金工業<5480>、5位に22円高の東洋埠頭<9351>が入った。羽田関連の日本空港ビルデング<9706>は94円高で昨年来高値を更新し、空港施設<8864>も27円高と買われた。
消費増税後の反動減対策で「4月限定クーポン」を発行する高島屋<8233>は2円高。しかしJIN<3046>は2月の既存店売上高が25.1%減と2ヵ月連続2ケタ減少で、大雪でも許してくれず51円安。東急電鉄<9005>はバークレイズがレーティングを引き下げて2円安。西武HDの上場で電鉄セクターに需給悪化リスクありという理由だが、まだ東証から上場承認もされていない。ゲーム関連ではクルーズ<2138>が230円安で独歩安。激戦の「牛鍋戦争」に松屋フーズ<9887>も「すき焼き鍋膳」で参戦し4円高。迎え撃つ吉野家HD<9861>は16円安、すき家のゼンショーHD<7550>は25円高。値段が同じなので味で勝負がつきそうだ。
官公庁、流通向けのITクラウド事業とドコモショップの運営を手がけるサイバーリンクス<3683>がジャスダックに新規上場。初値はつかず、公開価格2400円に対し5520円の買い気配で終了した。
この日の主役は74円高で昨年来高値を更新したNTT<9432>。投資家向け説明会を年に約50回開催して鵜浦博夫社長も出席し、個人株主比率2割超を目指すというIR(投資家広報)方針を発表した。「NTT株フィーバー」と言われた1986年の第一次放出時に119万7000円で手に入れた個人株主で27年以上保有し続けている人は何人いるのだろう。その間にNTTは何度も自社株取得・消却を行い、5年前には1対100の株式分割も行ったが、この日の終値は5893円だった。(編集担当:寺尾淳)